»
斫
「斫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
斫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
をいつまでも大樅のそばに生《はや》しておくからである。もしある時期に達して小樅を
斫《き》り払ってしまうならば大樅は独《ひと》り土地を占領してその成長を続けるであ....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
だ一突きと突きたりしに、覘《ねら》いを外《はず》して肩頭《かたさき》を刎《は》ね
斫《き》りたり。 内儀は白糸の懐に出刃を裹《つつ》みし片袖を撈《さぐ》り得《あ....
「幻影の盾」より 著者:夏目漱石
》も外に向えるが二つに折れて肉に入る。吾がうちし太刀先は巨人の盾を斜《ななめ》に
斫《き》って戞《かつ》と鳴るのみ。……」ウィリアムは急に眼を転じて盾の方を見る。....
「観画談」より 著者:幸田露伴
に廓落と濶くて、松だか杉だか知らぬが恐ろしい大きな木があったのを今より何年か前に
斫ったと見えて、大きな切株の跡の上を、今降りつつある雨がおとずれて其処にそういう....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
に勤労を申出た二百人の土人を指揮して、未明から、ヴァエア山巓《さんてん》への道を
斫《き》り拓《ひら》いていた。其の山頂こそ、スティヴンスンが、生前、埋骨の地と指....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
って勿論|逐払《おいはら》った。然し其時の闘は如何にも突嗟《とっさ》に急激に敵が
斫入《きりい》ったので、氏郷自身まで鎗《やり》を取って戦うに至ったが、事済んで営....
「古狢」より 著者:泉鏡花
ろう。何しろ真夜半だ。厠へ行くのに、裏階子を下りると、これが、頑丈な事は、巨巌を
斫開いたようです。下りると、片側に座敷が五つばかり並んで、向うの端だけ客が泊った....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
の者も居れば、或は旅僧体の者や武士体の者、種々なる男がずっと居並んで居て、面部に
斫疵などのある怖らしい男が居る。其の次の間に、年齢十六七の娘が縛られ、猿轡をかけ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
見れば、まさしく胆吹山の南麓であって、その周囲を見れば荒野原、その一部分の雑木が
斫《き》り倒され、榛莽荊棘《しんもうけいきょく》が刈り去られてある。そのうちのあ....
「陳情書」より 著者:西尾正
、火事では大変だと思い遽《あわ》てて道路に駈け降りますと、外は烈風に加うるに肉の
斫《き》りとられる様な寒さで、寝巻の上にどてらを羽織った男女が大勢道路の両側に立....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
なた方が戦場で敵を相手に戦うときにも、禅学をやっていらっしゃる。すなわちただ敵を
斫《き》ろう、前に進もうという考えで齷齪《あくせく》するあいだは、勝つことも進む....
「入れ札」より 著者:菊池寛
いたが、其処も防ぎきれなくなると、忠次を初、十四五人の乾児は、辛く一方の血路を、
斫り開いて、信州路へ落ちて行った。 夜中に利根川を渡った。渋川の橋は、捕方が固....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
嘩を買って破裂の始末をつければよいさ、薄々聴いた噂では十兵衛も耳朶の一ツや半分|
斫り奪られても恨まれぬはず、随分清吉の軽躁行為もちょいとおかしないい洒落か知れぬ....
「鴉」より 著者:シュミットボンウィルヘルム
のである。その牧場が好く見える。木が一本一本見分けられる。忽ちまた真向うの、石を
斫り出す処の岩壁が光り出した。それが黄いろい、燃え上がっている石の塀のように見え....
「世界漫遊」より 著者:ダビットヤーコプ・ユリウス
て、また書いている。 ようよう銀行員の来る前に書いてしまった。右の腕を、虚空を
斫るように、猛烈に二三度振って、自分の力量と弾力との衰えないのを試めして見て、独....