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「断案〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

断案の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
お》いを肯定しなければなりません。つまり『匂いは正にある。が、畢竟それだけだ』と断案を下してしまうのであります。若し又万一『より悪い半ば』の代りに『より善い半ば....
武蔵野」より 著者:国木田独歩
も及ばんほどであったに相違あるまいが、自分が今見る武蔵野の美しさはかかる誇張的の断案を下さしむるほどに自分を動かしているのである。自分は武蔵野の美といった、美と....
初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
べからずなった時、人はこの社会を称して文明の域に達したという。一史家が鉄のごとき断案を下して、「文明は保守的なり」といったのは、よく這般《しゃはん》のいわゆる文....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いろいろの材料がそれからそれへとあつまって来ながら、彼はそれを取りまとめて一つの断案を下《くだ》すことが出来なかった。一体自分は何を調べているのか、それも確かな....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
」を江戸へ差し立てると、ひと月余りの後に「御差図書」が廻って来た。江戸の奉行所の断案によると、かの七人の者どもは重罪である。あと方もなき風説を云い触らして、それ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
なければならない。彼の死因には何かの秘密がまつわっているものと、役人たちは最後の断案をくだした。 「それにしても、この雪達磨を誰が作ったのか」 役人たちは当然....
デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
。そしてその粗雑さを克服するためにこのバルコニーへやって来て、私の概念的な粗雑な断案を、加工し整理すべき新しい材料の拾収を始めました」 ここで喬介は、一寸言葉....
水の女」より 著者:折口信夫
以上の組織力を示したただ一人の国学者鈴木重胤は、結局「くるす」の誤りという仮定を断案のように提出している。だが、何よりも先に、神賀詞の内容や、発想の上に含まれて....
花束の虫」より 著者:大阪圭吉
相談し始めた。 秋田は、ふと、先程丘の上で大月の下した犯人は左利きであると言う断案を思い出した。そして何か英雄的なものを心に感じながら、コッソリと夫人の手許を....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、そのためか一層蒼白になって、凄じい気力を普光尼に向けた。 「そこで、私は最後の断案を下したいのですが、それを云う前に、先日秘かに試みた心理試験の結果をお話する....
太陽系統の滅亡」より 著者:木村小舟
は、却って聴衆の胸中に、さらに暗雲を漲らしむるに過ぎなかった、しかり全く絶望的の断案は下されたのである。 「君よ、この問いに対しては、吾々は殆ど確答し得ない、の....
流行唄」より 著者:兼常清佐
とした。もちろんこのような実験は、そう急にはまとまらない。今私はそれについて何も断案を下すことは出来ない。ただこれまでに私はおぼろげに知った事は、前にニッポン風....
武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
は単に平安朝中葉以降東国に起れる武士は、主としていわゆる東人に属するものなりとの断案をのみ記して、さらに歩をその上に進めんとす。 東人の何者なるかにつきては、....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
乱れた文化の葛藤を解決し制馭する威力のないものであるというのが二葉亭の禅に対する断案で、何かの茶咄のついでに一休は売僧、白隠は落語家、桃水和尚はモーズレーの研究....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
のあらゆる音楽家たちから彼を区別する本質的な特質だとすれば、それは統一力の異常な断案によるところのものであって、彼のあらゆる作品がそのしるしを帯びているのである....