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「断片的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

断片的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
…何をうるさい、よけいな事はいわずと黙って見ているがいい。心の中をひらめき過ぎる断片的な影を葉子は枯れ葉のように払いのけながら、目の前に見る蠱惑《こわく》におぼ....
或る女」より 著者:有島武郎
にも貞世を見舞うなどという事はできなかった。 こうして臥《ね》ながらにも葉子は断片的にいろいろな事を考えた。自分の手もとにある金の事をまず思案してみた。倉地か....
弓町より」より 著者:石川啄木
もあろうと思うが)の変化の厳密なる報告、正直なる日記でなければならぬ。したがって断片的でなければならぬ。――まとまりがあってはならぬ。(まとまりのある詩すなわち....
温情の裕かな夏目さん」より 著者:内田魯庵
り、私は夏目さんの近年の長篇を殆んど読んでいないといって宜しい。よし新聞や何かで断片的には読んでいるとしても、私はやはり初期の作が好きだ。特に短篇に好きなものが....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
て相当の産を作った例外の例があっても、斯ういう文壇の当り屋でも今日の如く零細なる断片的文章を以てパンに換える事は決して出来なかった。 夫故、当時に在っては文人....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
、目立たない衣裳を纏っていた。一人は大小を差していた。しかし一人は丸腰であった。断片的に話し声が聞こえた。 「……恐らく今夜は邪魔はあるまい」 武士の方がこう....
」より 著者:池谷信三郎
査、精神鑑定を行った。以下に書きつけられた会話筆記は、その中から適宜に取りだした断片的の覚書である。 問。被告は感情に何かひどい刺戟を受けたことはないか? 答。....
巴里のむす子へ」より 著者:岡本かの子
ないばかりに、私は涙ぐんで蹲りながらおまえの歌を詠む。おまえがときどき「あんまり断片的の感想で、さっぱり判りませんね。もっと冷静に書いて寄越して下さい」と苦り切....
貞操問答」より 著者:菊池寛
たとえば(町でも屈指の財産家となる)とか(まことにもっともな話である)などという断片的な文章を用いて作る短文などは、一から十まで新子にまかせたきりである。そして....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
つけはじめ、勢いに駆られてめくら滅法に書き了せたというに過ぎない。終始漫然として断片的な資材を集めたに過ぎない。釘も打たず鎹もかけていない。すぐにばらばらに崩壊....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
吉をはじめとして四人の男を、代官町の露路から、ここまで後をつけて来て、四人の話を断片的にではあったが、耳にした山県小次郎であった。 「何が幸いになるかしれない。....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
います。「李太白」だって僕には涙の出るほど有難い書物です。だけど、あの教義をただ断片的に暗誦して博識ぶったり、あの唐風の詩から小手先の技巧を模倣してみたりしたと....
「ケット」と「マット」」より 著者:喜田貞吉
たというのである。今去る九月に長野県|下水内郡桑名川へ行った時の聞書をまずここに断片的に紹介してみる。 越後の中魚沼郡と信濃の下高井郡とにわたって、信濃川の支....
文章を作る人々の根本用意」より 著者:小川未明
に述べた観察と錯綜し纒綿する。 思索の分野は、実に無限である。人生自然の零細な断片的な投影に過ぎないものでも、それはわれ/\の注意力如何によって極めて微妙な思....
特殊部落ということについて」より 著者:喜田貞吉
前々号以来、俗法師の研究を始めとして、再びこれら特殊民に関する雑多の研究報告を、断片的に本誌普通号上に分載発表することとした。これまた既に読者諸君の御注意に上っ....