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断篇
「断篇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
断篇の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「野分」より 著者:夏目漱石
墨汁《ぼくじゅう》と化して、一字一画に満腔《まんこう》の精神が飛動している。この
断篇が読者の眼に映じた時、瞳裏《とうり》に一道の電流を呼び起して、全身の骨肉が刹....
「蒲団」より 著者:田山花袋
しているが、内心これに甘じておらぬことは言うまでもない。後れ勝なる文学上の閲歴、
断篇のみを作って未だに全力の試みをする機会に遭遇せぬ煩悶、青年雑誌から月毎に受け....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
る価値の相対性、それらを型《タイプ》化せんとする偏執狂的熱中。自己陶酔、偉大なる
断篇《トルソー》としてつかんで居て、特に金銭がバルザックの世界で最も変質しない普....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
であろう。これは必、劇的誇張を以て、共通のやるせなさを唆ろうとする叙事詩脈の物の
断篇に違いない。こうした古代の歌から、我々が正しく見ることの出来るは、結局生活力....
「役者の一生」より 著者:折口信夫
の家の芸たる女形をして、あの肥った身体でよく一つの面を拓いている。踊りの場合は、
断篇としては実によい女を表現する。併し、何と言っても真女形にはなれぬ。先代と比較....
「十日の菊」より 著者:永井荷風
なるモデルを得るの日まで、この制作を中止しようと思い定めた。 わたしはいかなる
断篇たりともその稿を脱すれば、必《かならず》亡友|井上唖々《いのうえああ》子を招....