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断続
「断続〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
断続の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
《せきぜん》と大路を見おろしているばかり、またしてもほととぎすの、声がおちこちに
断続して、今まで七丈五級の大石段に、たたずんでいた阿濃《あこぎ》の姿も、どこへ行....
「影」より 著者:芥川竜之介
と同時にタイプライタアは、休みない響を刻《きざ》みながら、何行かの文字《もじ》が
断続した一枚の紙を吐き始めた。
「拝啓、貴下の夫人が貞操を守られざるは、この上な....
「少年」より 著者:芥川竜之介
は車の輪の跡です! 保吉は呆気《あっけ》にとられたまま、土埃《つちほこり》の中に
断続した二すじの線を見まもった。同時に大沙漠の空想などは蜃気楼《しんきろう》のよ....
「或る女」より 著者:有島武郎
《ほぬの》の端《はし》から余滴《したたり》がぽつりぽつりと葉子の顔を打つたびに、
断続して聞こえて来るように思われた。
「葉子さん、あなたは私を見殺しにするんです....
「星座」より 著者:有島武郎
た。
清逸は一昨日ここに帰ってきてから割合によく眠ることができた。海岸のように
断続して水音のするのはひどく清逸の心をいらだたせたが、昼となく夜となく変化なしに....
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
腰の痛みの軽い日は、杖《つえ》に縋《すが》りながらでも、笠寺観音から、あの附近に
断続して残っている低い家並に松株が挟まっている旧街道の面影を尋ねて歩いた。これが....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
」参謀は、浅川曹長に命令を伝えた。 司令機の尾部から、白い煙がスー、スーッと、
断続して、空中を流れた。 それが、判ったものか、ピカピカ光るものは、鳥渡、動か....
「夜泣き鉄骨」より 著者:海野十三
なスウィッチで、硝子蓋を開くと、大理石の底盤の上に幅の広い銅リボンでできた電気|
断続用の刃がテカテカ光り、エボナイト製の、しっかりした把手がついていた。このスウ....
「奇賊は支払う」より 著者:海野十三
このとき、夫人を送って来た自動車が走り去るに先んじて、あやしげに警笛を三十秒間|
断続吹鳴しなかったとしたら、苅谷氏はベットの中で目をさましはしなかったろう。とに....
「千早館の迷路」より 著者:海野十三
いるように見えます。元来人間の眼は、残像時間が相当永いので、一秒間に二十四回以上
断続する光は、それが
断続するとは見えず、点け放しになっているように感ずるのです。....
「トロッコ」より 著者:芥川竜之介
疲れた彼の前には今でもやはりその時のように、薄暗い藪や坂のある路が、細細と一すじ
断続している。…………....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
板が出る。夜町の鋪道は急に賑い出す。その名ごりの酔いどれの声が十二時過ぎになって
断続して消えかかろうとする頃いつも加奈子の家の軒下を乱れた靴音で通り過ぎて行く一....
「清心庵」より 著者:泉鏡花
影山に入乱れつ。いまはハヤ朽葉の下をもあさりたらむ。五七人、三五人、出盛りたるが
断続して、群れては坂を帰りゆくに、いかにわれ山の庵に馴れて、あたりの地味にくわし....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
のごとし。 一帯沙原結、介立大西鯨浪間。 (一帯の砂原が左右の山をむすび、人家が
断続して弓のごとき湾の水をかこむ。旅客としてだれが故郷を思わないことがあろうか、....
「蛇性の執念」より 著者:大倉燁子
らっしゃいました。時々は淋しい笑をさえお洩しになります。雨の戸を打つ音でお言葉は
断続してよくきき取れませんが、何とも云えない寂しさに我知らず身震いいたしました。....