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断行
「断行〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
断行の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
それが小心な私には、いざと云う場合に立ち至ると、いかに自《みずか》ら鞭撻しても、
断行する勇気が出なかったのでございます。私は何度となく腑甲斐《ふがい》ない私自身....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ますまい。が、もしそうだとすれば、なぜまたあの理想家の三浦ともあるものが、離婚を
断行しないのでしょう。姦通の疑惑は抱いていても、その証拠がないからでしょうか。そ....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
自殺をしようと決心するのです。が、ちょうど妊娠《にんしん》しているために、それを
断行する勇気がありません。そこで達雄に愛されていることをすっかり夫に打ち明けるの....
「或る女」より 著者:有島武郎
島丸で帰って来たら、回復のできない罪を犯したものとして、木村に手紙をやって破約を
断行させ、一面には葉子に対して親類一同は絶縁する申し合わせをしたという事を聞かさ....
「小作人への告別」より 著者:有島武郎
るか知らず、今日は得られています。かかる保証を有《も》ちながら、私が所有地解放を
断行しなかったのは、私としてはなはだ怠慢であったので、諸君に対しことさら面目ない....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
国民の徹底した自覚により国家は遅くも二十年を目途とし、主要都市の根本的防空対策を
断行すべきことを強く提案致します。官憲の大整理、都市に於ける中等学校以上の全廃(....
「戦争中止を望む」より 著者:伊丹万作
作の余地そのものが皆無となっているに違いない。 おそらく四月には敵は本土上陸を
断行するだろう。しかも我はやすやすとそれを許すだろう。上陸されたら最後我には抵抗....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
しようが、骨を抜こうが、女郎一人と、八千の民、誰か鼎の軽重を論ぜんやじゃ。雨乞を
断行せい。 力士|真先に、一同ばらりと立懸る。 学円 私を縛れ、(と上衣を脱ぎ棄....
「転機」より 著者:伊藤野枝
の適用によって、他に立ち退かすより他はなかった。そこで、その残った家の強制破壊が
断行された。 「その土地収用法というのはいったい何です?」 「そういう法律がある....
「「別居」について」より 著者:伊藤野枝
程高価なものに思われました。そうしたことを考え始めますと、押し切って自分の決心を
断行するという勇気はどうしても出てきませんでした。 けれども、その時から私の深....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
ばず、徳川三百年の政府を穏に解散せんとするは武士道の変則古今の珍事にして、これを
断行するには非常の勇気を要すると共に、人心を籠絡してその激昂を鎮撫するに足るの口....
「米」より 著者:犬田卯
であり、ますます深まる疑惑でさえあった。 「母を叩き出した。」全くそれはおせきの
断行した、換言すれば実の娘の鬼畜の行為であったろうが、はやく夫に死別して、持って....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
ていて、ひょろひょろと動くのが、ふと目に着いてから気にかかった。が、決意もなく、
断行もない、坊主になりたいを口にするとともに、どうやら、破衣のその袖が、ふらふら....
「西航日録」より 著者:井上円了
ため、および国家のために、大いに喜ぶべく、かつ祝すべきなり。ことに他邦人のいまだ
断行し得ざる空前の冒険旅行者を、哲学館出身者中より出だし、欧米人をして、その後に....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
連で二、三度、私の戦争観を講演し、「今日は必要の場合、日本が正しいと信ずる行動を
断行するためには世界の圧迫も断じて恐れる必要がない」旨を強調したのであった。時勢....