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斯界
「斯界〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
斯界の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「放送された遺言」より 著者:海野十三
のみ多くしてしんみりと理解をしてくれる者がなかった。ことに遺憾なのは先輩にあたる
斯界の大家連中の浅薄な臆断である。その日のことは忘れもしない。かねての自分からの....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
かけたのです」 アッコルティ先生は、前年度の学会にゴリラ定期鬱狂説を発表して、
斯界に大センセーションをまき起した。 ゴリラには、憂鬱病と恐怖症が周期的にきて....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
こそであろう。庄司署長と云い、宮木裁判長と云い、揃いも揃って、正を踏んで恐れざる
斯界勇猛の士に当ったのは、支倉の運の尽きる所だった。 宮木判事は如何に本件を解....
「縮図」より 著者:徳田秋声
徒弟に住みこんだのは、ちょうど蔵前の大きな靴屋で、そのころハイカラな商売とされた
斯界の先達であり、その商売に転向した多勢の佐倉藩士の一人で、夫人も横浜の女学校出....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
等を受持って東都家元六平太師を招いて、只圓翁の追善能記念事業を計画するなぞ福岡の
斯界を風靡していた。 而して今から二十余年前大野徳太郎氏の歿後、福岡喜多会が成....
「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
ないほどの奇怪なる事件なんですよ」 と、若い男はポツリポツリと語りだした。――
斯界の最高権威となったヒルミ夫人は、一昨年ついに結婚生活に入った。 その三国一....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
他天文台の諸氏、並びに東北大の松隅健彦博士や、京大の山本一清博士、神田茂氏など、
斯界の権威が相当に多い。 理論物理学に於ては、あまり受賞的業績がない。古くは故....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
ン・モーゼスで、その手に成れる自動書記の産物『霊訓』は、たしかに後世に残るべき、
斯界のクラシックである。日本の学会に、その真価が殆ど認められていないのは、甚だ遺....
「獅子は死せるに非ず」より 著者:小栗虫太郎
とする優秀新人の出現に、通巻十二号の今となってもまったく見極めが付かないからだ。
斯界の、萎靡沈衰は作家各自より、新人諸君に於いてもっとも甚だしいとする。従って、....
「弓道中祖伝」より 著者:国枝史郎
正正次は、故郷に帰って研鑽百練、日置流の一派を編み出した。これを本朝弓道の中祖、
斯界の人々仰がぬ者なく、日置流より出て吉田流あり、竹林派、雪荷派、出雲派あり、下....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
人間的に取扱うのがタテマエであるから、どうも、こまったね。編輯者曰く、お前さんも
斯界の古老であるから(というのは病気を診察した古老じゃなくて診察された古老だとい....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
当時の美術界に重きを為せる人々の所説をも聞き、明治十三年以降その当時に及んでいる
斯界の趨勢の大略をも知ることが出来、また、その現在の有様をも了解することが出来た....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
芸学校の教授にして、(弐)――術院の委員、審査員、として、玄武青竜はいざ知らず、
斯界の虎! はたその老齢の故に、白虎と称えらるる偉匠である。 惟うべし近常夫婦....
「茶美生活」より 著者:北大路魯山人
日のように、一個の茶道具が何万、何十万と決ってしまっては、無産階級は残念ながら、
斯界から手を引き断念する以外に道はないようである。 名幅を、名器をと羅列せざる....
「アイヌ語学」より 著者:知里真志保
る」といって、大いに推奨しておられるのであります。こうしてバチラー博士の辞書は、
斯界の権威者たちのたたく景気の好い太鼓の音に送られて、賑々しく学界に船出して以来....