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新京極
「新京極〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
新京極の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ある心の風景」より 著者:梶井基次郎
ていたりした。喬は自分も酒に酔ったときの経験は頭に上り、今は静かに歩くのだった。
新京極に折れると、たてた戸の間から金盥《かなだらい》を持って風呂へ出かけてゆく女....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
山の桜は盛りであった。 「行違ふ舞子の顔やおぼろ月」という紅葉山人の句を引いて、
新京極から三条の橋の上の夜のにぎわいをおもしろく語った。その時は和尚さんもうかれ....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
へ帰ったので、家族が京都で芝居を見たというのは唯この一度であった。しかし私は今は
新京極というその頃の誓願寺や、錦小路天神、蛸《たこ》薬師、道場、祇園の御旅には、....
「青春論」より 著者:坂口安吾
のだ。あの頃は仕事に自信を失って、何度生きるのを止めにしようと思ったか知れない。
新京極に京都ムーランというレビューがあって、そこへよく身体を運んだ。まったく、た....
「探偵の巻」より 著者:坂口安吾
京都の街が狭くなつて大いに弱つた。人口百万もあるくせに、盛り場がたつたひとつで、
新京極まで行かなければ活動写真も見られない町である。東京には友達が何万人――はち....
「投手殺人事件」より 著者:坂口安吾
指令してある。 ところが、彼らは失敗した。まッすぐ支局へ行けばよかったものを、
新京極をブラついて、串カツで一杯ひっかけたりしたから、支局へ現れたのが、十一時五....
「モルガンお雪」より 著者:長谷川時雨
なかった、芸妓《げいしゃ》時代の窮乏を思いうかべた。それよりももっと、幼年時代、
新京極あたりの賑やかな町を通っても、金魚店の前に立っているだけで、自分で思うよう....
「名古屋スケッチ」より 著者:小酒井不木
消しだが、さすがに玉は悪くない。 大須界隈 東京の浅草、大阪の千日前、京都の
新京極、それに匹敵するのが名古屋の大須である。そこには金竜山浅草寺ならぬ北野山真....
「京のその頃」より 著者:上村松園
いた。ちょっと役者顔をした男だったが、私の母の話によると、元は市川市十郎と一緒に
新京極の乞食芝居の仲間だった人だということで、それがいつの間にか零落して町芸人に....
「艶色落語講談鑑賞」より 著者:正岡容
ていたろうその晩のお客たちの顔を思うと、じつにおかしい。 もう一つある。京都の
新京極のはずれにあった笑福亭という落語の寄席で、旧友K君。便意を催して厠に入って....
「わが寄席青春録」より 著者:正岡容
となり、吉本でもどうにか潰《つぶ》しの利く高座だと思ってくれたのか、来月、京都の
新京極の富貴で金語楼、小春團治、九里丸とあんたで新人会を演るさかい出演しなはらん....
「六日月」より 著者:岩本素白
も漸く深い夜を、東山の影は黒々と眠って居たが、恵比須講の灯に明るい四条通り、殊に
新京極の細い小路にはいる辺りは、通り切れぬほどの人出であった。四条大橋を渡って華....