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「新刊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

新刊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
長椅子《ながいす》に寝ころんだ書記の今西《いまにし》が、余り明くない電燈の下に、新刊の雑誌を拡《ひろ》げていた。が、やがて手近の卓子《テーブル》の上へ、その雑誌....
保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
い襟巻《えりまき》などを巻きつけて来た。この人はタウンゼンド氏に比べると、時々は新刊書も覗《のぞ》いて見るらしい。現に学校の英語会に「最近の亜米利加《アメリカ》....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
事があったと云うのは、小僧の一人が揃えて出した日和下駄《ひよりげた》を突かけて、新刊書類の建看板が未に生乾きのペンキの※《におい》を漂わしている後から、アスファ....
或る女」より 著者:有島武郎
く》」だの、兆民居士《ちょうみんこじ》の「一|年有半《ねんゆうはん》」だのという新刊の書物も散らばっていた。 「まあ岡さんもなかなかのロマンティストね、こんなも....
獄中消息」より 著者:大杉栄
中に黄色の表紙の『ル・ムーブマン・ソシアリスト』という雑誌が十数冊ある。それにも新刊紹介があった筈だ。若宮からは貸してくれるか。 仏文の Corneille ....
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
上話。 「それはまだ読んでいません。」と、参事官はいいました。「ハイベルが出した新刊の本にちがいありませんね。」 「いや、ハイベルではありません。ゴットフレト ....
新学期行進曲」より 著者:海野十三
よ。それから、あたくしは、新聞の広告面を毎日隅から隅まで目をとおしまして、なにか新刊で優秀な受験準備書がありますと、すぐ本屋へとんで行って買ってまいります。そし....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ただ詩人という呼声に酔わされていたのである。 北村透谷の『蓬莱曲』がその頃出た新刊書の一つである仮表装の素朴な本であることはすでに述べた。恐らく二、三十銭そこ....
映画の普及力とは」より 著者:伊丹万作
といつてよかろう)となつてしまつた。 かくて我々病人は朝は新聞に目を通し、昼は新刊書を読み、夜はラジオのスウィッチをひねり、興いたれば蓄音機のちりを払つて古今....
神経」より 著者:織田作之助
が見えた。 「やア、到頭はじめたね」 と、はいって行くと、参ちゃんは、 「南で新刊を扱ってるのは、うちだけだす。日配でもあんたとこ一軒だけや言うて、激励してく....
起ち上る大阪」より 著者:織田作之助
、三ちゃんであった。三ちゃんは波屋書店の主人で、私が中学生時代からずっと帳付けで新刊書を買うていたのは三ちゃんの店であったし、三ちゃんもまた私の新しい著書が出る....
僕の読書法」より 著者:織田作之助
して置こうと思う。未知の恋人同様、会わなければ会わないで、また心安らかであろう。新刊書が入手しにくくなったという苦情もきくが、しかし、入手し損って一生の損失にな....
雪の一日」より 著者:岡本綺堂
この二階へもたずねて来て、二時間あまりも話して帰った。T氏は文学趣味のある人で、新刊の小説戯曲類も相当に読んでいるらしかったが、その話の末にこんなことをいった。....
書を愛して書を持たず」より 著者:小川未明
の機関としなかったものはなかったからです。 東京堂月報に拠ると昭和八年上半期の新刊書数は、実に二千四百余種に達しています。これに後半期を入れて一ヶ年にしたら、....
早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
寺町の南北社などが大きい方で、なおその外二、三軒あるが、兎に角あの狭い区域内で、新刊書を売る本屋が六、七軒もあって、それ/″\負けず劣らずの繁昌振りを見せている....