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新客
「新客〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
新客の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一円本流行の害毒と其裏面談」より 著者:宮武外骨
約金を取らない事にし、其取らないのが例となって、酒屋の御用きき、床屋の下剃などの
新客からまでも予約金を取らなかったのである そこで、出版元では、五万人の予約者が....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
お気にさわったんですかい!」 早雷が落ちかかったとき、ひょっくりとはいってきた
新客がある。同時に、名人の目がきらりと鋭く輝きました。 背にある彫りがあの色な....
「斜陽」より 著者:太宰治
た。 「じゃ、失敬」 と言って、よろめきながら帰るひとがあるかと思うと、また、
新客がのっそりはいって来て、上原さんにちょっと会釈しただけで、一座に割り込む。 ....
「旅愁」より 著者:横光利一
の印刻かと思って懐しかった。彼は指頭で油の影を撫でてみた。
そのうちにまた別の
新客が一人、〆縄のような縄暖簾を額で裂いて顕われて、「やア。珍らしい人だね。」と....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
手を重ねあわした。そしてシッカリと握ってはなさなかった。傍にはキャフェ・テリヤの
新客が、御馳走の一ぱい載った盆を抱えたまま、座席につくことも忘れて、呆然と二人の....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
お先に、一輪、大きく咲いたという花形の曙女史と聞えたは、浅草の牛肉屋の娘で――御
新客、鍋で御酒――帳場ばかりか、立込むと出番をする。緋鹿子の襷掛けで、二の腕まで....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
まり返って、洋皿や匙《さじ》を使う手つきが、もはや相当に堂に入っている。 この
新客が席につくと、今まで会話に酣《たけな》わであった士分と、商人と、それから洋人....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の不断の研究心が、未練執着を断ち切れなかった時――偶然にも、彼の手許《てもと》へ
新客となったマドロス君が、無雑作に、今の駒井の胸をおどらすようなことを言い出しま....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
す。オコウちやん狙ひの客は姿を消したけれども、お酒さへ安く飲めりやいゝんだといふ
新客が次第にふへて今では昔日の隆盛をとりもどしたから、コックにバーテンに接客サー....
「四国遍路日記」より 著者:種田山頭火
室のおへんろさん二人出立、西へ東へ、御機嫌よう、御縁があったらまた逢いましょう。
新客一人、野宿のお遍路さんらしい。 ――水のように。―― 今日の功徳は銭三十三銭....
「蛇性の執念」より 著者:大倉燁子
バンを右手にぶら下げ、左手にも二つ三つの包を抱えていました。このアパートを借りた
新客には違いないんですが、こんな相客は有り難くないと心に思いながら外へ出ました。....