新月[語句情報] »
新月
「新月〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
新月の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
えだった。車に乗ろうとして空を見上げると、雲はそう濃くはかかっていないと見えて、
新月の光がおぼろに空を明るくしている中をあらし模様の雲が恐ろしい勢いで走っていた....
「親子」より 著者:有島武郎
えして赤ずんでいた。いつの間にか雲一ひらもなく澄みわたった空の高みに、細々とした
新月が、置き忘れられた光のように冴えていた。一同は言葉少なになって急ぎ足に歩いた....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
しかしてこれを正確に観察する方がずっと容易であることを知った。すでに古い昔から、
新月と満月との規則正しい交代が、二九・五三日という短い周期で起るので、これが短い....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
ってあげる」 「ウワァ、うれしい」 正吉はよろこんで、カンノ博士にとびついた。
新月号《しんげつこう》離陸 やっぱり東京の空港から、探検隊のロケット艇は出発し....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
》いだ。 城壁《じょうへき》の聖者《せいじゃ》 その夜、するどくとがった
新月《しんげつ》が、西空にかかっていた。 ここはバリ港から奥地へ十マイルほどい....
「空襲警報」より 著者:海野十三
とついてみたがそのまま起しもせず、暗い戸外に出ていった。西空には、糸のように細い
新月が冷たく光っていた。沼田一等兵はもうサイド・カーのエンジンをかけて、中尉の乗....
「眉の記」より 著者:上村松園
性にしっくり合わないのは当然すぎるほど当然の理なのである。 私はもちろん美しい
新月のように秀でた自前の眉毛を剃り落したあの青眉にたまらない魅力を感じているひと....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
ような気がして、正気づいた時、まず見えたのは、自分の顔へ、近々と寄せている、細い
新月のような眉、初々しい半弓形の眼の、若い女の顔であった。円味の勝った頤につづい....
「茶屋知らず物語」より 著者:岡本かの子
― 一同はそれを繰り返しました。汲みかえられて、水晶を張ったような手水鉢の水に
新月が青く映っています。 それが済んで二人は 「さて、帰ろう。御主人勘定はいく....
「印度の詩人」より 著者:国枝史郎
え感ぜられた。 × × × 私はタゴールの詩は「
新月」ほか数種読んでいるし、戯曲も「郵便局」その他幾篇か読んでいる。正直のところ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
霓一弓、驟雨一過、南風冷を送り、秋気船窓に入るの心地あり。また、晩に船欄に倚れば
新月の西天に印するを見る、また大いに幽趣あり。 濠陽風物動。 (豪州の南の風物は....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
っと、夕方の街を見おろしていた。 夕空はしだいにくら闇のいろにつつまれ、ほそい
新月が夢のような姿をみせ、星もふたつみっつ数をましていった。 港にとまっている....
「扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
や、感傷や遠慮を抜いた実質的な相談をしました。蒼溟として暮れかかる松林の上の空に
新月が磨ぎ出された。一々私の相談を聞き取って確実な返事をしたのちに良人は和やかな....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
へもこりもこりと動いて来た。 改めて駆り出された緬羊の四、五十頭の群であった。
新月形の両の角を振り振り、素の額のまろい※の肉の垂れた、眼の柔和な、何か老いて呆....
「むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
能勢の妙見山の景色らしいんですよ。二人は千手観音を背負っています。木の間がくれの
新月が観音様を照らし、御光がさしているのです。女は男より大分|年長で、醜い器量の....