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新派劇
「新派劇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
新派劇の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三人の双生児」より 著者:海野十三
くるなり、妾の胸にとりすがって、嬉し泣きにさめざめと泣くのであった。それはまるで
新派劇の舞台にみるのとソックリ同じことで、いとど感激の場面が演ぜられたのだった。....
「わが町」より 著者:織田作之助
て、彼女はむかし松島の大火事で死なしたひとり娘の歳もやはりこれくらいであったと、
新派劇めいた感涙を催し、盗んで逃げたい想いにかられるくらい、君枝がいとおしかった....
「明治座の所感を虚子君に問れて」より 著者:夏目漱石
っていた。それから今日までに団十郎をたった一遍見た事があるばかりである。もっとも
新派劇は帰朝後三四遍見たが、けっして好じゃない。いつでも虚子に誘われて行くだけで....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
な高級演劇がさっぱり商売にならないで芸術などは相手にしない演劇会社社長の打つ甘い
新派劇などが満員をつづけるのが不思議でなくなるようである。 話は変わるが、日本....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
えるのだ。その上貧乏や死ぬことを大して怖れないという傾向がある。 だから日本の
新派劇を見て下さい。私はかつて嫌味な男に芸者が惚れたという芝居を見たことがない。....
「夏遠き山」より 著者:宮本百合子
ざるを得ない自然だ。――都会人の観賞し易い傾向の勝景――憎まれ口を云えば、幾らか
新派劇的趣味を帯びた美観だ。小太郎ケ淵附近の楓の新緑を透かし輝いていた日光の澄明....
「マダム貞奴」より 著者:長谷川時雨
、「又意外」で蓋《ふた》をあけた。その折の見物の絶叫は、凄《すさ》まじいほどで、
新派劇の前途は此処に洋々とした曙《あけぼの》の色を認めたのであった。それに次いで....
「生前身後の事」より 著者:中里介山
てそこで裁判劇などを見たこともあったが役者の名前などは一切記憶していない、そこで
新派劇というものを紀元的に見たのはこの東京座の「金色夜叉」をもって最初とする、た....
「竹本綾之助」より 著者:長谷川時雨
名物とされているが、狷介不羈《けんかいふき》、世を拗《す》ねたぐれさん以前にも、
新派劇、女優劇と、何処の芝居の楽屋にも姿を現す、後日の素質は含蓄されていたものと....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
どうするかと見ていると、お千鶴は家で手内職、お前はもと通り俥をひいて出て、まるで
新派劇の舞台が廻ったみたいだった。 当時、安堂寺橋に巡航船の乗場があり、日本橋....
「赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
の田舎者で無い限り、花屋敷の大衆芸術に亢奮感激しないごとく僕達も此処の中華民国の
新派劇や旧派劇や万歳芝居や(事実、日本に於ける万歳芝居そっくりのものがあったのだ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
の改名――大森の一夜――歌舞伎凋落――団菊の歿後 日露戦争前後 左団次の衰老――
新派劇全盛――「桐一葉」と「辻説法」――遼陽の秋――洪水の難をまぬかる ことし....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
二月、角藤定憲の一派が大阪において壮士芝居を創め、三日より新町座にて開演。これを
新派劇の開祖とす。 ○二月、俳優の等級を定め、更に正副頭取を置く。頭取は団十郎、....