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新派悲劇
「新派悲劇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
新派悲劇の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「葱」より 著者:芥川竜之介
下に、「不如帰《ほととぎす》」を読んだり、造花の百合《ゆり》を眺めたりしながら、
新派悲劇の活動写真の月夜の場面よりもサンティマンタアルな、芸術的感激に耽《ふけ》....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
りしますみこ》の役所《やくどころ》なのです。夫の外交官も新時代の法学士ですから、
新派悲劇じみたわからずやじゃありません。学生時代にはベエスボールの選手だった、そ....
「誰」より 著者:太宰治
のあり)万事御了察のうえ、お願い申しあげます。何事も申しあげる力がございません(
新派悲劇のせりふの如し、人を喰ってる)委細は拝眉の日に。三月十九日。治拝。(借金....
「山羊髯編輯長」より 著者:夢野久作
正した。瓦斯器修繕屋然たる吾輩を二人で、マジリマジリと見上げ見下し初めた。何だか
新派悲劇じみて来たようだ。 手に持った吾輩の名刺をチラリと見た安島二郎氏はブッ....
「縮図」より 著者:徳田秋声
自動車で浅草へ乗り出し、電気館の洋物、土屋という弁士で人気を呼んでいるオペラ館の
新派悲劇、けれんの達者な松竹座の福円などを見たものだったが、そのころ浅草を風靡し....
「超人鬚野博士」より 著者:夢野久作
袖を飜えして門の内へ走り込んだ。お尻の上の帯をゆすぶりゆすぶり玄関の扉を開いて、
新派悲劇みたいな姿態を作って案内したから吾輩も堂々と玄関のマットの上に片跛の護謨....
「生あらば」より 著者:豊島与志雄
みに交って流れていった。そして何等のはっきりした意志もなくとある活動館に入った。
新派悲劇、泰西活劇、旧劇、そういう写真が彼の前に展開された。そして俗悪なる弁士の....
「ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
いや、というので、怪しきアルコールをガブリとやってオダブツとある。悲愴であるが、
新派悲劇じゃなくて、道化芝居のネタである。 国会で小便をおやりになる。元大臣が....
「男女の交際について」より 著者:坂口安吾
には下らない悲劇はない。騙された、とか、人の犠牲になった、とか、そういう受け身の
新派悲劇は有り得ず、すべては自己の責任に於て行われているから、失敗も、そこから立....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
進歩もあるのである。ニンシンにひきずられて、不適当と知りながら結婚するなどゝは、
新派悲劇以前で、ヨタモノだったら、女をニンシンさせて抑えつけて、ゆすったりするが....
「魔都」より 著者:久生十蘭
ッチソン」
もう返事はなかった。
長命寺の鐘がボーン。火の見櫓の上に、いつも
新派悲劇の幕切に見るあの新月が。
この時戛々と靴音も高く、こなたに近づき来たる....