新生面[語句情報] » 新生面

「新生面〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

新生面の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:夏目漱石
こう云う状態は、不幸にして宗助の山を去らなければならない日まで、目に立つほどの新生面を開く機会なく続いた。いよいよ出立の朝になって宗助は潔《いさぎ》よく未練を....
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
そのあとへ新しい「江戸ッ子」、すなわち「現代式東京人」が寄り集まって「新東京の新生面」を作りつつある。 その新生面はどんな光彩《いろどり》を放っているか、ど....
物理学圏外の物理的現象」より 著者:寺田寅彦
くこれを証明しているように思われる。そういう場合に、突然にどこからか現われて来て新生面を打開するような対象が、往々それまではほとんど物理学の圏外か、少なくも辺鄙....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
労働運動は、この大会を機として、その思想の上にもまた運動の上にも、特に劃時代的の新生面を開こうとする非常な緊張ぶりを示して来た。そこへこんどの(九字削除)の通知....
モンアサクサ」より 著者:坂口安吾
川信なども野心満々たる男であるから、新風に野心を凝らし、一流を志すようになれば、新生面はひらかれてくる筈である。 彼らに一流の矜持があれば、浅草は又、面白いと....
現代美学の危機と映画理論」より 著者:中井正一
みが映画界に起るであろう。イギリス、イタリア映画がセミドキュメンタル映画として、新生面を切開きつつあることは、巨大な覚醒の前ぶれであろうか。かく考える時、この世....
豊竹呂昇」より 著者:長谷川時雨
してしまおうと、心までも肉体と共に自由にしようとした。彼女は漸《ようや》く自己の新生面を開こうとしたおりに、こういう大きな掌《てのひら》に握りつぶされてしまった....
松井須磨子」より 著者:長谷川時雨
て、出京しても一度も芝居を見なかった若い細君の耳へ、毎日毎日響いてくるのは、劇に新生面を開いてゆかなければならないと、論じあう若き人々の声ばかりであった。新時代....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
高である。 ファラデーが助手となって、六個月ばかり経つと、ファラデーの一身上に新生面の開ける事件が起った。それはデビーが欧洲大陸を旅行するという事件で、デビー....
自作肖像漫談」より 著者:高村光太郎
鋳造した。「世界美術全集」などに出ている写真はこの胸像であり、当時一般から彫刻の新生面と目されたのであるが、この胸像は実物の彫刻よりも写真の方がよい位で、甚だ見....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
し、私の実物写生の研究と西洋彫刻に対する憧憬は少しもゆるみはせず、どうかして、一新生面を展きたいものである。このまま、こういうことばかりしてはいられないという不....
決闘場」より 著者:岡本かの子
た。彼は下町に在る大学からの帰途、アイリスを訪ねた。その都度二人は見違えるような新生面を以って向い合った。色々の事が談したかった。些細な事まで聴きたかった。彼等....
ドモ又の死」より 著者:有島武郎
ちゃんを得た以上、不平をいわないでくれ。な、そうしておまえは新たに戸部の弟として新生面を開いてくれ。俺たちはそれを待っているから。じゃさよなら。 一同かわるがわ....
鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
偶然の咄のついでにも抱負の一端を洩らしていた。もし長くその椅子に坐していたら必ず新生面を拓く種々の胸算があったろうと思う。正倉院の門戸を解放して民間篤志家の拝観....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
この『あいびき』と『めぐりあい』とに発途しておる。短かい飜訳であるが啻だ飜訳界の新生面を開いたばかりでなくて、新らしい文芸の路を照すの光輝ともなった。その文壇に....