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「新茶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

新茶の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:岡本かの子
ことがあった。春さきの小川の淀みの淵を覗いていると、いくつも鮒が泳ぎ流れて来て、新茶のような青い水の中に尾鰭を閃めかしては、杭根の苔を食んで、また流れ去って行く....
雛妓」より 著者:岡本かの子
る雛妓の腕働きでもある。それが逸作に縺れている。わたくしはこれを眺めて、ほんのり新茶の香りにでも酔った気持で笑いながら見ている。雛妓は、どうしてもうんと言わない....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
成程是は妙な画だ、福禄寿にしては形が変だな、成程|大分宜い画だ」 婆「宅で拵えた新茶でがんす、嘉八や能くお礼を申上げろ」 嘉「誠に有難うごぜえます、貴方飴屋が参....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
の前ですが、山の林にでもすがるよりほかに、わたくしどもの立つ瀬はございません。」新茶屋に、馬籠の宿の一番西のはずれのところに、その路傍に芭蕉の句塚の建てられたこ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
しかし、歩けば歩くほど、彼は気の晴れる子供のようになって、さらに西の宿はずれの新茶屋の方へと街道の土を踏んで行った。そこには天保十四年のころに、あの金兵衛が亡....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
を願いますぜ。」 そんな話も出た。 日は次第に高くなった。使いの者が美濃境の新茶屋の方から走って来て、先鋒の到着はもはや間もないことであろうという。駅長とし....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
の付き添いで、国境の十曲峠を上って来た時、父の名代として百姓総代らと共に峠の上の新茶屋まで新住職の一行を出迎えたのもまだ若いころの半蔵だった。旅姿の松雲はそのま....
」より 著者:島崎藤村
って、その板屋根が庭の樹木を隔てて、高い草葺の母屋と相対していた。植木屋の人達は新茶を造るに忙しい時であった。縁日向の花を仕立てる畠の尽きたところまで行くと、そ....
新茶のかおり」より 著者:田山花袋
新茶のかおり 田山花袋 樹々の若葉の美しいのが殊に嬉しい。一番早く芽を出し始め....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
…」という、あの小学読本で教わった対句がふいと想い出された。 参らせん親は在さぬ新茶哉(昭和七年七月、渋柿) プラタヌスの樹蔭で電車を待っていると、蕎麦の出前....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
時の経つは速いものだ。越した年の秋実を蒔いた茶が、去年あたりから摘め、今年は新茶が可なり出来た。砂利を敷いたり剪枝をしたり苦心の結果、水蜜桃も去年あたりから....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
めて尻に夕日の暑さかな 涼しさや月に経よむ一の尼 更へ/\て我が世は古りし衣かな新茶煮てこの緑陰の石を掃ふ 矢車に朝風強き幟かな 灌仏やはや黒々と痩せ給ふ 大団....
棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
と言えども不正な商人がいないではなかった。 茶店にもとんびというのがよく来た。新茶の出る時分になると、とんび(茶のブローカー)という商売人が宇治一品のお茶とい....
松園女史の思い出」より 著者:金子薫園
れて参ったのですが」と語り出して、残してきた病床の妹の事が案じられた。女史は京の新茶と珍菓を出して、もてなされた。 一椀のうす茶の上に風わたり言葉すくなに 対う....
黒船前後」より 著者:服部之総
年にとある果敢な荷主が出て、上海《シャンハイ》からロンドンまで一千二百五十トンの新茶を蒸汽船ロバート・ロウエ号に運送させた。そして、新茶の香気が汽船によっていさ....