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新館
「新館〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
新館の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「明暗」より 著者:夏目漱石
この通りかい」
「へえ」
「何だかお客はどこにもいないようじゃないか」
下女は
新館とか別館とか本館とかいう名前を挙げて、津田の不審を説明した。
「そんなに広い....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
を掛けた。「いや――しかし、もう入れるかい。」「じきでございます。……今日はこの
新館のが湧きますから。」なるほど、雪の降りしきるなかに、ほんのりと湯の香が通う。....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
の焼跡風景も、同じであることに気がついた。 ◯電気試験所は第一部が全焼していた。
新館、旧館各棟は異状なしであった。裏門前一帯もすべて焼けつくし、第二日野校ももち....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
らぬ形勢を案じて、横浜からの飛脚船で兵庫の様子を探りに来た。兵庫には居留地の方に
新館のできるまで家を借りて仮住居する同国の領事もいる。カションはその同国人のとこ....
「パンドラの匣」より 著者:太宰治
いま、僕の世話になっている「健康道場」と称するまことに風変りな結核療養所なのだ。
新館と旧館と二棟にわかれている。旧館のほうはそれほどでもないが、
新館はとても瀟洒....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
みると、さらにいっそうさびしい想いがするのである。(昭和八年四月、渋柿) 三越
新館に熱帯魚の展覧会があった。水を入れたガラス函がいくつも並んでいる。底に少しば....
「地図をながめて」より 著者:寺田寅彦
なかった。 しかし現に丸の内の元警視庁跡に建築されることになっている第一相互の
新館は地下六十尺に基礎をすえ、地下室が四階になるはずだそうで、いわば私の夢の一端....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
が罪になる。 三 胆吹《いぶき》の上平館《かみひらやかた》の
新館の庭の木立で、二人の浪人者が、木蔭に立迷いながら、語音は極めて平常に会話を交....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
白雲の設計図により、附近の木石を利用し、船中からも相当の資材を持ち出し、かなりの
新館が、忽《たちま》ちに出来上りました。 船は島蔭の程よき所に廻航して、そこに....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
るというような意味から彼自身もパテントによって相当の産をなして今はその郷里のこの
新館に来ている、まだ隠居という年ではないし、東京にも相当の根拠地を持ってはいるけ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
そんな手段がめぐらされてから約一週間ばかりの後のある夜、バーティマン・ヌーフ(
新館)の一階にある寝室を視察していた巡邏《じゅんら》の監視が、箱の中に巡邏証票を....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
ろうし、また学術上の恨事でもあった。 鴎外が博物館総長の椅子に坐るや、世間には
新館長が積弊を打破して大改革をするという風説があった。丁度その頃、或る処で鴎外に....
「西航日録」より 著者:井上円了
十時、三人相携えて上陸。余は領事館および三井物産会社支店を訪い、馬場氏に面し、日
新館にて河合、甲賀両氏と手を分かち、印度支那汽船会社の便船瑞生号(Suisang....
「望郷」より 著者:服部之総
かげをいくらかでもいまにつたえているのが、歴研支部講演会場にあてられた北大農学部
新館講堂の隣にある、札幌農学校いらいの古くエキゾチックな校舎などであろうかと、あ....
「日本橋附近」より 著者:田山花袋
供をつれた私……。今でも私はその大晦日の散歩をやめようとはしなかった。 三越の
新館を見に出かけた。それは静かな明るい初夏の日の午前だった。私は多くの人達のよう....