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方丈記
「方丈記〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
方丈記の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「毛の指環」より 著者:宮本百合子
子は出かけて行ってお千代ちゃんを呼び、大抵自分の方へつれて来た。一つ机で、由子は
方丈記を写した。向い側でお千代ちゃんが木炭紙へ墨で幾枚も絵を描いた。女の絵であっ....
「書斎」より 著者:辻潤
キッとあるにちがいなかろうと私は別になんでもないように考えているのです。 私は
方丈記時代の人間ですから、それを見物して自分が興味を持つだけに留めて、自分は竹の....
「日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
然観と相調和するところのあるのもその一つの因子ではないかと思うのである。鴨長明の
方丈記を引用するまでもなく地震や風水の災禍の頻繁でしかも全く予測し難い国土に住む....
「蠹魚」より 著者:宮本百合子
ただろう。丁度、私共が十二三の頃、面白くもなければ、本当の意味もわからない西鶴や
方丈記を、其等が「大人の本」であると云う丈の理由で、さも博大な知識を獲得しつつあ....
「行方不明の処女作」より 著者:宮本百合子
一方で少女世界の当選作文を熱心に読みながら、ろくに訳も分らず竹取物語、平家物語、
方丈記、近松、西鶴の作品、雨月物語などを盛によんだ。与謝野晶子さんの現代語訳源氏....
「年譜」より 著者:宮本百合子
くしてしまった。 段々手当りばったりにいろんなものをよみはじめた。「平家物語」「
方丈記」西鶴(!)などを盛にうつしたり、口語訳にしたりして表紙をつけ手製本をつく....
「日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
地震は、余震が翌年まで続いた。斉衡三年三月八日の大和地方もひどかったと見えて、「
方丈記」にも「むかし斉衡の比かとよ、大地震ふりて、東大寺の仏のみぐし落ちなどして....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
。」 と今更ながら畚を覗くと、冷い磯の香がして、ざらざらと隅に固まるものあり、
方丈記に曰く、ごうなは小さき貝を好む。 八 先生は見ざる真似して....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
殿様暮ししていたのが、いつの間にやら水兵の出入りするところとなっている有様です。
方丈記というのが戦国時代の文学であるのがよく分りますね、一つの家の変転だけ語って....
「日本文化私観」より 著者:坂口安吾
ではない。建築は火に焼けるし人はやがて死ぬから人生水の泡の如きものだというのは『
方丈記』の思想で、タウトは『
方丈記』を愛したが、実際、タウトという人の思想はその....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
ように説き立てることに対しても、まったく賛成していない。 私はこれに対しては、
方丈記の思想や、黄河の二千年前の名論の方に賛成であって、生あるものは滅する、木で....
「武田麟太郎追悼」より 著者:織田作之助
また取りかえしのつかぬ想いに私をうろたえさせる許りで、私は暫らく蒲団をかぶって「
方丈記」でも読んでいたい。「
方丈記」を読みながら、武田さんと一緒に明かした吉原の....
「親鸞」より 著者:三木清
たのである。かくして無常感は唯美主義と結びついて出世間的な非現実主義となった。『
方丈記』の著者のごときもその著しい例である。 これに対して親鸞はどこまでも宗教....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
・寂然・寂念の三兄弟、『金葉集』を撰んだ源俊頼の子の歌林苑の俊恵、少し若手では『
方丈記』の鴨長明など、この時代の有名な歌人は多く世捨て人であったか、世捨て人にな....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
母「何だえ、それは? 『お文様』のようじゃないか?」 僕「これですか? これは『
方丈記』ですよ。僕などよりもちょっと偉かった鴨の長明という人の書いた本ですよ。」....