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方寸
「方寸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
方寸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
汝、提宇子《でうす》、すでに悪魔の何たるを知らず、況《いわん》やまた、天地作者の
方寸をや。蔓頭《まんとう》の葛藤《かっとう》、截断《せつだん》し去る。咄《とつ》。
(大正七年八月)....
「碧蹄館の戦」より 著者:菊池寛
一超直ちに明国へ入り、吾朝の風俗を四百余州に易え、帝都の政化を億万|欺年に施すは
方寸の中に在り」と書いて居る。朝鮮は宜しく先導の役目を尽すべしと云うのであった。....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
浪子をののしれるなり。 なお一つその怒りを激せしものありき。そはおぼろげながら
方寸のいずれにかおのが仕打ちの非なるを、知るとにはあらざれど、いささかその疑いの....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
つに数え上げられるようになった頃、すなわち九十七日目に、川筋三百間、鍬打ち込まぬ
方寸の土も無くものの見事に掘り返し、やっと銭九文を拾い集めて青砥と再び対面した。....
「浅草紙」より 著者:寺田寅彦
延ばしていた。 そんな事はどうでもよいが、私の眼についたのは、この灰色の四十平
方寸ばかりの面積の上に不規則に散在しているさまざまの斑点であった。 先ず一番に....
「風博士」より 著者:坂口安吾
たとえば諸君、頃日余の戸口に Banana の皮を撒布し余の殺害を企てたのも彼の
方寸に相違ない。愉快にも余は臀部及び肩胛骨に軽微なる打撲傷を受けしのみにて脳震盪....
「保久呂天皇」より 著者:坂口安吾
家伝霊薬と銘うって千年も前から伝わっているように云いふらしていたが、万事は三吉の
方寸からでたもので、草津の湯花から思いついたものであった。保久呂湯も湯花がでる。....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
け、あつらえむきに中橋の始末もつけて、これで天下晴れて荒巻と添いとげたい夢之助の
方寸だろうが、中橋がヒサの母に夢之助の妾宅へ参るとハッキリ言明しているのは天の声....
「正雪の遺書」より 著者:国枝史郎
上げの準備に取りかかったのでございます。 私は彼等に云いました―― 「先ず其の
方寸としては最初江戸にて事を起こし漸次駿府大阪京都と火の手を挙ぐるがよろしかろう....
「ヒウザン会とパンの会」より 著者:高村光太郎
ンの会」はそうしたヌウボオ エスプリの現われであって、石井柏亭等同人の美術雑誌「
方寸」の連中を中心とし北原白秋、木下杢太郎、長田秀雄、吉井勇、それから私など集っ....
「かもじの美術家」より 著者:神西清
りとして、このアルカージイほどの無双の美術家の奉仕にあずからしめまいという伯爵の
方寸からして、あわれ彼は「休暇というものを一生涯もらえず、また生まれ落ちてこのか....
「活人形」より 著者:泉鏡花
う婦人を宅へ置いてどんな懸合になろうも知れませぬ。「その事なら放棄ときな、おれが
方寸にある事だ。ちゃんと飲込んでるよ。「だッてお前様、御主筋の落人ではあるまいし....
「西航日録」より 著者:井上円了
通、薈諸哲心肝于一堂、鎔大地精英于一籠、藐茲丈室与天穹窿羹牆如見、夢寐相逢、諸星
方寸億劫且暮、待来者之折衷。 孔子二千四百五十三年康有為 題 (東西南北のい....
「融和促進」より 著者:喜田貞吉
の間でも、気が合わねば親しくは交わらぬ。人を使うにしても、その選択は一に使用者の
方寸にあって、他から適当だと推薦してきたからといって、必ずしもそれを雇い入れると....
「一九三七年を送る日本」より 著者:戸坂潤
、そして多年の思想善導、国民精神作興、国体明徴、思想動員、精神動員、其の他等々の
方寸にも拘らず、日本当局に依然として、民衆的な宣伝力に富んだ文化政策がないという....