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「方山〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

方山の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
妖婆」より 著者:芥川竜之介
ちん》へ火のはいった縁先のうす明りにかしこまって、かれこれ初夜も過ぎる頃まで、四方山《よもやま》の世間話をして行きました。その世間話の中へ挟みながら、「是非一度....
或る女」より 著者:有島武郎
は感ぜぬようになった。田川夫妻は自然に葉子を会話からのけものにして、二人の間で四方山《よもやま》のうわさ話を取りかわし始めた。不思議なほどに緊張した葉子の心は、....
或る女」より 著者:有島武郎
かでもあり、……」 ある晩|双鶴館《そうかくかん》の女将《おかみ》が話に来て四方山《よもやま》のうわさのついでに倉地の妻の様子を語ったその言葉は、はっきりと葉....
白蛇の死」より 著者:海野十三
吉蔵の店の床下に張り込ませて、何処までも事件の端緒を掴むようにと手配した。 一方山名国太郎の失踪については、喜多公を変電所へ張って行った刑事から、偶然手懸りが....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
と悠々と迫らぬ調子で、 「宵には何事もありませんでした。可い塩梅な酔心地で、四方山の話をしながら、螽一ツ飛んじゃ来ない。そう言や一体蚊も居らんが、大方その怪物....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
感心に襟脚の太くない、二十歳ばかりの、愛嬌たっぷりの女で、二つ三つは行ける口、四方山の話も機む処から、小宮山も興に入り、思わず三四合を傾けまする。 後の花が遠....
狂人日記」より 著者:井上紅梅
ぱいに書き詰めてあるのが「食人」の二字。 このたくさんの文字は小作人が語った四方山の話だ。それが皆ゲラゲラ笑い出し、気味の悪い目付でわたしを見る。 わたしも....
茶屋知らず物語」より 著者:岡本かの子
ました。 何にも知らぬ二僧は、すっかり悦んで箸を取りながら主人や女中を相手に四方山の咄の末、法眼が言いました。 「時に御主人、われ等ここへ斯う参って、御家族に....
木曽の怪物」より 著者:岡本綺堂
其の夜再び出直して来た。此方も雪に降籠められて退屈の折柄、其の猟師と炉を囲んで四方山の談話に時を移すと、猟師曰く、私は何十年来この商売を為ていますが、この信州の....
雪柳」より 著者:泉鏡花
は吉原の全盛の色香に心を引かれたらしい。――三の輪の知人在宿にて、双方心易く、四方山の話に夜が更けた。あるじ泊りたまえと平にいう。いや夜あるきには馴れている、雨....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
余はかほどまで果断なき乎、歎ずべき事の第一なり、」と。また曰く、「書肆某来りて四方山の物語をす、余はかかる射利の徒と交はるだも心苦しけれどもこれも交際と思ひ返し....
明治懐顧」より 著者:上村松園
れ、その周囲に、老若諸大家が座をしめ、何とかいう茶人がたてる抹茶を服みながら、四方山の話がはずみます。旅の話が出ているかと思うと、こちらでは鳥の話が出ている。古....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
自分の中に持ち来せるのである。周囲は駕籠が通り人々は煙草をふかし、茶をのみ乍ら四方山の咄しに耽る普通の現実の世界である。この現実の世の中で、自分一人が、仏陀とか....
」より 著者:織田作之助
部の同僚の蒲地某という男が突然日本橋五丁目に金助の家を訪れ、無口な金助を相手に四方山の話を喋り散らして帰って行った。何の事か金助にはさっぱり要領を得なかったが、....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
兵四師団、騎兵二師団で兵力約四万、主力はサボナからアルベンガ附近、その一師団は西方山地内に在った。縦深約八十キロである。 軍前面の敵はサルジニアのコッリーが約....