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方様
「方様〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
方様の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高野聖」より 著者:泉鏡花
うとするような少年。私《わし》は驚いた、こっちの生命《いのち》に別条はないが、先
方様《さきさま》の形相《ぎょうそう》。いや、大別条《おおべつじょう》。
(ちょい....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
その先生さえ少く見えるくらい、老実な語。 「加減をして、うめて進ぜまする。その貴
方様、水をフト失念いたしましたから、精々と汲込んでおりまするが、何か、別して三右....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
様へ、お心入れの土産がこれに。申すは、差出がましゅうござるなれど、これは格別、奥
方様の思召しにかないましょう。…何と、姫君。(色を伺う。) 亀姫 ああ、お開き。....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
、これがためにこの市の名が起りましたと申します。これが奥の院と申す事で、ええ、貴
方様が御意の浦安神社は、その前殿と申す事でござります。御参詣を遊ばしましたか。」....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
、ドドンドシン、続けさまに扉が鳴った。 五 「旦那は――ははあ、奥
方様と成程。……それから御入浴という、まずもっての御寸法。――そこでげす。……い....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
、踏台を提げて、小児たちの背後を、ちょこちょこ走り。で、松崎の背後へ廻る。 「貴
方様は、どうぞこれへ。はい、はい、はい。」 「恐縮ですな。」 かねて期したるも....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
と早口の尻上りで、若いものは敷居際に、梯子段見通しの中腰。 「お馴染様は、何
方様で……へへへ、つい、お見外れ申しましてございまして、へい。」 「馴染はないよ....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
と出額の下の、小慧しげに、世智辛く光る金壺眼で、じろりと見越して、 「今晩は。誰
方様で?」 「お宅に染次ってのは居りますか。」 「はい居りますでございますが。」....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
ないな。」 「実説正銘にござりまして、へい。餅屋|店では、爺の伝五めに、今夜、貴
方様、お珊の
方様、」 と額を敲いて、 「すなわち、御寮人様、市へお練出しのお供....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
る折から、ここの行燈とかしこのランプと、ただもう取交えるばかりの処。 「ええ、奥
方様、あなた様にお客にござりまして。」 優しい声で、 「私に、」と品よく応じた....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
ござりますがな。――へい、いえ、いえそのままでお宜しゅう……はい。 そうした貴
方様、勉強家でござりました癖に、さて、これが療治に掛りますと、希代にのべつ、坐睡....
「醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
よさそうなもんだのに。」 と、口を出しました。 「それはとても及びませぬ事で、奥
方様。」 と、母親は答えました。 「あれは全くのところ、きりょう好しではございま....
「多神教」より 著者:泉鏡花
ん。それで……身につけて出ましたのです。そして……そして……お神ぬし様、皆様、誰
方様も――憎い口惜しい男の五体に、五寸釘を打ちますなどと、鬼でなし、蛇でなし、そ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
に身構えながら、件の賽の目のごとき足並の人立に向って、かすれた声、 「やい! 何
方様もよくおいで遊ばされやがったね、へへへへへへ、何御用でございますか、仰せ聞け....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
ると無かろうね。探したが探したがさあ知れねえ。とうとう平あやまりのこっち凹み、先
方様むくれとなったんだが、しかも何と、その前の晩気を着けて見ておいたんじゃアある....