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「方眼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

方眼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
生きている腸」より 著者:海野十三
ながら、電流計や比重計や温度計の前を、かわるがわる往ったり来たりして、首にかけた方眼紙の上に色鉛筆でもってマークをつけていった。 赤と青と緑と紫と黒との曲線が....
工場細胞」より 著者:小林多喜二
ので、会社の計画を具体的に知ることが出来た。日本ばかりでなく、世界の賃銀の高低を方眼紙にひかされた。――世界的に云って、名目賃銀は降っていたし、生活必需品の価格....
煩悩秘文書」より 著者:林不忘
びっくりすれば、あの、三国ヶ嶽のお花畑以来、妙に因縁のある弥四郎頭巾が、七年この方眼ざして来た出羽だったのかと、佐吉も胆をつぶすと同時に、見れば面前に、その白覆....
二つの庭」より 著者:宮本百合子
「――こういう方が見えましたけれど……」 水を拭かないままのうす赤い指さきで、方眼紙の小型ノートのはしをむしった紙きれを出した。太い鉛筆で乱暴に「黒色連盟 山....
木魂」より 著者:夢野久作
量と直径とを比較して行くうちに、直径の三乗と重量とが正比例して増加して行く事を、方眼紙にドットして行った点の軌跡の曲線から発見し得た時の喜びようは、今でもこの眼....
宇宙爆撃」より 著者:蘭郁二郎
たという安堵に似たものもあった。木曾は、ガランとした実験室で、黙々として報告書の方眼紙に、実験特性曲線をマークしている残留所員たちの後姿を、黙って見つめていた。....
青年」より 著者:森鴎外
小泉純一は芝日蔭町の宿屋を出て、東京方眼図を片手に人にうるさく問うて、新橋|停留場から上野行の電車に乗った。目まぐろ....
未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
した地下戦車を設計するぞ」 岡部伍長は、自信あり気に、独言《ひとりごと》した。方眼紙《ほうがんし》 岡部伍長は、仕事はじめの夜に、窓から見たまんまるい月のこ....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
はなくて、却って、この平均値を高めるべき目標・理想線を意味している。この理想線の方眼紙上の位置は不定であり、或いはその位置を問題にすることは不可能なので、平均値....
父の手帳」より 著者:宮本百合子
書きが並べられている。これは余程古いものであろうと好奇心に動かされて見てゆくと、方眼紙の第一頁に一九〇七年十月三十一日と英語で日附、「横浜倉庫」という見出しの下....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
のことが私を深く感動させます。父は仕事を愛していた。よく食堂のテーブルのところで方眼紙(?)のノートを出していろいろプランを描いて居りました。尤も父の持っていた....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
り堆積《たいせき》し、慄然《りつぜん》たらしむる断崖《だんがい》をなしながら、上方眼の届かない所まで高くそびえているのを、彼は憤激の情に交じった恐怖をもって認め....
純情狸」より 著者:佐藤垢石
もじが路を塞いで立っているではないか、あっとのめって、そのまま気絶した。 明け方眼ざめて村へ帰り、斯く斯くと語ったのであるが、貴公が四十数年前、桑畑の間で胆を....
山の人生」より 著者:柳田国男
いてみるとき、今日誰しも答えるのは鼻のむやみに高いことであるが、これとても狩野古方眼が始めて夢想したという説もあって、中古には緋の衣に羽団扇などを持った鼻高様は....
黒田如水」より 著者:吉川英治
やかな小姓達が連なって膳や銚子を退げて行った。この深夜というのに、秀吉はつい今し方眼をさまして、食事もたった今すんだところらしい。以て彼の日常がいかに多忙で朝夕....