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方言
「方言〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
方言の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
えぐ》られていて、そこから真黒な血が吹き出ている仔鹿《かよ》(かよ―上州西北部の
方言)の首で、閾《しきい》のかなたからは、燃え木のはぜるような、脂肪の飛ぶ音が聴....
「什器破壊業事件」より 著者:海野十三
これはあたらしい小間使の光枝に対してだけの話で、その他のお手伝いさんや使用人は、
方言まじりの言葉で、こっぴどく叱りつけられていた。 その夜のうちに、光枝は廊下....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
と大口を開けて笑った。――紳士淑女の方々に高い声では申兼ねるが、猪はこのあたりの
方言で、……お察しに任せたい。 唄で覚えた。 薬師山から湯宿を見れば、ししが髪....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
、上り口は拭き込みたる板敷なり。これに続ける六畳は、店と奥との中の間にて、土地の
方言茶の室と呼べり。その茶の間の一方に長火鉢を据えて、背に竹細工の茶棚を控え、九....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
片田舎に、宿を借る旅人が、病もなく一晩の内に息の根が止る事がしばしば有る、それは
方言|飛縁魔と称え、蝙蝠に似た嘴の尖った異形なものが、長襦袢を着て扱帯を纏い、旅....
「辞書」より 著者:折口信夫
て、辞書の完成は重大なことだが、そういう意味において、ほんとうにはできていない。
方言 辞書には、もう一つある。記録されない言語、偶然の原因によって記録されたに....
「嫉みの話」より 著者:折口信夫
れが男にも延長されて、誰も不思議に思うておらぬ。しかしこれは、「へんねし」などの
方言で表わされる。いこじな、片意地な、意地の悪い感情で、そこへ羨む心持がはいる。....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
した。そして背中をむけてどんどんあるきだしました。 *バルティック海上の島。島の
方言がかわっていた。 しかしいくらあるいても、参事は橋をみつけることはできませ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
してまたこの花に逢ったといってある。そして石蒜は和名したまがり、死人花、幽霊花の
方言があって、邦人に忌まれている。しかし英国人はその根を伝えて栽培し、一盆の価往....
「天衣無縫」より 著者:織田作之助
から、その人だって、私の写真を見て、さぞがっかりしたことだろう。私の生れた大阪の
方言でいえばおんべこちゃ、そう思って私はむしろおかしかった。あんまりおかしくて、....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
狼狽させかけたことを、おぼえている読者もあろう。 ガマンとは、大阪でいう刺青の
方言だ。だから、刺青の針助と書いてもいいわけだ。 「本当かい……テ、お前もよっぽ....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
夢を語り、一場の笑いを博し、午後三時ごろ帰宅すれば、なんぞ図らん、小生が最愛の、
方言「のじこ」と称する小鳥は、すでに飛逃してあらず。籠もまた破れて、羽毛のその辺....
「オシラ神に関する二三の臆説」より 著者:喜田貞吉
ささかこれに関する臆説を述べてみたい。 佐々木君の報告の中に、黒川友恭著「荘内
方言考」を引いて、山形県荘内地方では、他の地方ではオシラ神というものを、オコナイ....
「審判」より 著者:カフカフランツ
を興がるように頭を振るのだった。ところがこんな話をしているうちに周期的にどこかの
方言に巻きこまれ、それはKにはもう全然イタリア語とは思えなかったが、支店長はそれ....
「俗臭」より 著者:織田作之助
こざが起ったことがある。伝三郎はその時ひどく妻を折檻した。 「おん者ら(和歌山の
方言でお前という意)俺の兄弟のこと悪う抜かすことないわい」 伝三郎は兄弟想いで....