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施し
「施し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
施しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
の高い大賊《たいぞく》である。それが大名屋敷へばかり忍び込んで、盗んだ金は窮民へ
施したというところから、当時は義賊という妙な名前が、一般にこの盗人《ぬすびと》の....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
て、敵意のある監視を加え始めた。いや、事によると時々は、君にさえ僕と同様の警戒を
施していたかも知れない。』私『そう云えば、いつか君の細君は、書斎で我々が話してい....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
うか。竹で造った骨組みの上へ紙を張って、それに青と赤との画の具で、華やかな彩色が
施してある。形は画で見る竜と、少しも変りがない。それが昼間だのに、中へ蝋燭《ろう....
「或る女」より 著者:有島武郎
に帰ると自分の部屋《へや》に閉じこもってすぐ大体を読んで見た。後屈症は外科手術を
施して位置|矯正《きょうせい》をする事によって、内膜炎は内膜炎を抉掻《けっそう》....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
しゃる途中などは、神仏の引合わせと申しても宜しいのです。 どうぞ、その、遍く御
施しになろうという如露の水を一雫、一滴で可うございます、私の方へお配分なすってく....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
て浄化した。眼を開いて基督の所有の如何に豊富であるかを見るがいい。基督が与えかつ
施したと見えるもの凡ては、実は凡て基督自身に与え
施していたのだ。基督は与えざる一....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
メンホテプ四世(Amenhotep ※)と名づくる開けた君主が現われて一大改革を
施し、エジプト古来の宗教を改めて文化の進歩に適応させようとした。彼はかなり急進的....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
つつある。アメリカに比較すれば、富の余裕大ならざるイギリスにおいて種々の國營を實
施しているのにたいし、最も富裕なるアメリカが、強力なる統制下に尚大いに自由なる活....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
瑚も、金銀に代り、家蔵に代っていたのでございます。 公子 可、その金銀を散らし、
施し、棄て、蔵を毀ち、家を焼いて、もとの破蓑一領、網一具の漁民となって、娘の命乞....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
最初|此等の通信を、スピリチュアリスト紙に発表するに当り、通信者達は全部に修正を
施したが、内容の実質には、少しの変化もなかった。爰に発表したものには全部個人関係....
「「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
拠ろうとするのは、妥当を欠く非難を免れまい。では菊池寛の作品には、これらの割引を
施した後にも、何か著しい特色が残っているか? 彼の価値を問う為には、まず此処に心....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
。これは酷評ではあるが、その通りである。 ファラデーは非常に慈け深い人で、よく
施しをした。どういう風に、またどの位したのか、さすがに筆まめな彼れもそればかりは....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
府の意志を代表したるものと見るべからず。すなわち彼等の目的は時機に投じて恩威並び
施し、飽くまでも自国の利益を張らんとしたるその中には、公使始めこれに附随する一類....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
の容子がいかにも哀れに悲しく見えるので、途ゆく人は、彼等がまだ求めもしないのに、
施しをした。 日曜だというと、二人は教会の入口へ行って、終日そこに佇んでいた。....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
人も勿論道を尊んでおり、道は全人類の共通のものであり、古今に通じて謬らず、中外に
施して悖らざるものである。しかも西洋文明は自然と戦いこれを克服する事に何時しか重....