施主[語句情報] » 施主

「施主〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

施主の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
祥光院《しょうこういん》の墓所《はかしょ》には、四基《しき》の石塔が建てられた。施主は緊《かた》く秘したと見えて、誰も知っているものはなかった。が、その石塔が建....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
て、彼は謹んでうなずいた。 「かずならぬ甥めが後世《ごせ》安楽のために、関白殿が施主《せしゅ》となって大法要を催さるるとは、御芳志は海山《うみやま》、それがしお....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
寺で営まれた。藤次郎はふだんからの懇意でもあるので、通夜は勿論、きょうの葬式にも施主《せしゅ》側と一緒になっていろいろの手伝いをした。平七は庄五郎と同職で、しか....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
かり焼香の済んだのが、六時ちっと廻った時分。後で挨拶をしたり、……茶屋へ引揚げて施主たちに分れると、もう七時じゃないか。 会は夜あかしなんだけれど、ゆっくり話....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
うと試みたのか、それは永久の謎である。鏡は由井家の菩提寺へ納められて、吉左衛門が施主となって盛大な供養の式を営んだ。 その鏡はなんとかいう寺の宝物のようになっ....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
表顕であった。 こういううちにも、舞台――舞台は二階らしい。――一間四面の堂の施主が、売僧の魚説法を憤って、 「――おのれ何としょうぞ――」 「――打たば打た....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
を胸へ取って、襟を伏せて、俯向いて行きます。……袖の下には、お位牌を抱いて葬礼の施主に立ったようで、こう正しく端然とした処は、視る目に、神々しゅうございます。何....
紅白縮緬組」より 著者:国枝史郎
とへ通って来た嫖客の一人だということであったが、それかあらぬか浦里は、自分親しく施主に立って立派な葬式を営んだため、噂がパッと拡がった。しかし間もなくその浦里も....
」より 著者:岡本綺堂
十日ほども起きることが出来なかった。 その噂に三右衛門も心を痛めた。結局自分が施主になって、寺内に鯉塚を建立すると、この時代の習い、誰が言い出したか知らないが....
夢のお七」より 著者:岡本綺堂
かたはらに弥陀尊像の塔あり。これまたお七の菩提のために後人の建立しつる由なれど、施主はいつの頃いかなる人とも今明白に考へ難し。或はいふ、北国筋の武家|何某、夢中....
廿九日の牡丹餅」より 著者:岡本綺堂
て来た。 「やあ、いいところへ息子が帰った。」 人びとはよろこんで、早速かれを施主に立たせようとしたが、それは許されなかった。店先にあつまる会葬者の群れの中に....
奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
て東大寺の重源が平重衡によって焼かれた大仏殿の再建を企つるや、第一に大檀那として施主に仰いだのはこの夷域たる蛮陬夷落虜陣戎庭であった。当時これに長たる東夷の富豪....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
時の競争と言ったら実にたまらんです。もっともその粥は米で煮てあるのが多い。其粥は施主があって施すので、その中には肉が大分に入って居る。その粥なり茶を受ける椀は小....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
産者から乞わねばならぬ。すなわち「乞食」である。もっとも厳格なる意味から云えば、施主の供養に生きる如法の僧侶の如きもやはり乞食で、弘法大師の「三教指帰」には、自....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
であった。しかしながら本来が出家脱俗のものである。樹下石上を家となし、一笠一鉢、施主の供養を受けて修行するということは、この出家脱俗の徒の本領とするところであら....