施物[語句情報] »
施物
「施物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
施物の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
が、崔は今さら心持がよくないので、後に僧をたのんで供養をして貰って、かの指輪を布
施物にささげた。 その後に変ったこともなく、崔は郡の役人として評判がよかった。....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
掘りかえしたが、仏は見付からなかった。彼はまた言った。 「諸人が誠心をささげて布
施物を供えなければ、仏の姿を拝むことは出来ない」 集まっている男女はあらそって....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
、お懇の御回向を戴きまして、ほんのお布施で」 僧「いや多分に貴方、旅の事だから布
施物を出さんでも宜しい、それやア一文ずつ貰って歩く旅僧ですから、一文でも二文でも....
「三郎爺」より 著者:宮本百合子
。注進したばかりではなく、必要があれば現場をも見せる。 そして、作ってもろうた
施物を持って穴へ行く彼は、十分の一ぐらいのお裾分けを置いてやったなり、あとはさっ....
「マクシム・ゴーリキイの伝記」より 著者:宮本百合子
手紙が来て、それを知らせた。句読点のない短い手紙の中には、祖母さんが教会の入口で
施物を集めて倒れながら足を折った、と書いてあった。丹毒にとりつかれた、と書いてあ....
「アワァビット」より 著者:宮本百合子
て華々しく救済の任務を負い始めた。けれども、その動機に鋭い直覚を持つ者は、切角の
施物も、苦々しく味わうことは無いだろうか。 反対の或る一部は、まるで無感覚な状....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
やむなく沈黙しました。 その時分、舞台では海土蔵の弁慶がますます発揮し、富樫の
施物《せもつ》を受取って、一同この関を通り抜けようとする。 「いかにそれなる強力....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
絶やさぬようにして、教会の勤行《きんこう》にも聖餐《せいさん》にも参列させるし、
施物も分けてやる。そして罪人というよりはむしろ悪魔に魅入られた者として遇するのじ....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
、無差別な慈善の存在する場合には常にその恩恵の対象物に事欠くことはなく、与うべき
施物以上に多数の希望者を常に寄せ集めるものなることに考え至った時、私はこれに少し....
「日記」より 著者:宮本百合子
取った物も、元の通り戻したのです」 主は、哀れにも、不思議にも感じ、かたの如く
施物などを与えて、帰してやった。そして、後々にも、それほど途方に暮れた時には、憚....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
ている長人参の葉が、キャラコさんの手のなかで火のように燃える。なんとかして、この
施物《せぶつ》を受けとらせるうまい口実を探し出そうと思って、キャラコさんは、夢中....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
教の有難い例話などを引いて説教の後に三帰五戒を授けて遣りましたところがめいめい布
施物を上げました。その中に娘が一人居りましたが自分の首に掛けて居る
です。珊瑚....
「追放されて」より 著者:神西清
になる。するとセミョーンの他の渡船夫は、みな要らなくなる。韃靼人は村から村へと、
施物や仕事を捜して歩くことになる。妻はまだ十七だ。美人で、わがままで、羞しがりだ....