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「施療〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

施療の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
HUMAN LOST」より 著者:太宰治
師の良心に対する盲目的信仰より起った。たしかに重大の一因である。ヴェルレエヌ氏の施療病院に於ける最後の詩句、「医者をののしる歌。」を読み、思わず哄笑《こうしょう....
ゆず湯」より 著者:岡本綺堂
徳さんには入院料を支辨する力もない。さりとて仮りにも一戸を持っている者の家族には施療を許されない規定になっているので、徳さんはとうとうその家を売ることになった。....
新生」より 著者:島崎藤村
こは岸本に取っても見覚えのある古い大きな建物の跡であった。未だ朝のうちのことで、施療を受けるための男や女の患者が入口の石の柱の側に群り集っていた。 嫂の病室は....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
さんには入院料を支弁する力もない。さりとて仮りにも一|戸を持っている者の家族には施療を許されない規定になっているので、徳さんはとうとうその家を売ることになった。....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
も、負傷者は這入っていた。 柿本が入れられたのは支那人を追い出した、支那人への施療病室だった。白ペンキが禿げた鉄寝台、汚点だらけの藁蒲団、膿くさい毛布。敷布や....
死生」より 著者:幸徳秋水
、恐ろしい物でも、何でもない。 私が死刑を期待して監獄に居るのは、瀕死の病人が施療院に居るのと同じである、病苦の甚しくないだけ更に楽かも知れぬ。 これ私の性....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
など話す。爺さんは五十年来実行して居る冷水浴の話、元来医者で今もアイヌや移住民に施療して居る話、数年前物故した婆さんの話なぞして、自分は婆の手織物ほか着たことは....
大震火災記」より 著者:鈴木三重吉
火はちょうど、そこのところまで来てとまりました。 つぎには、これは築地の、市の施療院でのことですが、その病院では、当番の鈴木、上与那原両海軍軍医|少佐以下の沈....
死刑の前」より 著者:幸徳秋水
のでも、なんでもない。 わたくしが死刑を期待して監獄にいるのは、瀕死の病人が、施療院にいるのと同じである。病苦がはなはだしくないだけ、さらに楽かも知れぬ。 ....
クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
来のより大きな希望を仰いで辛抱強くなった。貧困の傍に立つと、それが富裕になった。施療院でも、病院でも、牢獄でも、あらゆる不幸の隠棲において、そこでは虚栄に満ちた....
椎の木」より 著者:豊島与志雄
顔を赤らめた。そしてまた、川村さんの気持が分らなくなるのだった。 竹山茂樹は、施療の精神病院にはいった。父親の遺骨は、故郷の山形へ送られ、母親は、川村さんの家....
」より 著者:黒島伝治
ないんです。」彼は、リザ・リーブスカヤのことを思い出して、どぎまぎして「胸膜炎で施療に来て居るからそれで知っとるんです。」 「そう弁解しなくたって君、何も悪いと....
村井長庵記名の傘」より 著者:国枝史郎
で訪う声がする。 「ご免下され、ご免下され」 呼吸苦しそうな声である。長庵方の施療患者、浪人藤掛道十郎である。足駄を穿き雨傘を持ちしょんぼりとして立っている。....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
、晴れ。午前、藤井氏とともに中学校を参観す。文部次官特に案内せらる。つぎに、応急施療院および慈恵病院を参観す。その病院には六百人の患者をいるるべしという。当サン....
女の怪異」より 著者:田中貢太郎
は発狂して町の中を駈け歩いている処を警官に見つかって警察の保護を受け、精神病院の施療室へ送られた。政雄が発狂してから数日して、菊江の両親の許を得て初めて菊江の家....