施米[語句情報] »
施米
「施米〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
施米の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
、江戸表の、天井知らずに騰《あが》っている米価が、ずうんと下るは必定――その上、
施米《せまい》なぞもいたすつもりで、お上役向、名高い御寺の上人さまにも、御相談申....
「平塚・山川・山田三女史に答う」より 著者:与謝野晶子
の母性保護を至当とされています。私はそういう意味からでなく、食糧に窮する貧困者に
施米または廉米を供給するのと同じ意味から、母の職能を尽し得ない貧困者を国家が保護....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
「寛保二年、閏《うるう》十月の饑饉《ききん》、武州川越、奥貫《おくぬき》五平治、
施米《ほどこしまい》の型とござあい――」 頼まれもしないに寄って来て、袋の結び....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
大暴風雨や洪水、数万の人民はそれがために死に饑え苦しみ流離したが、そういう場合に
施米をしたり、人心を鼓舞したり富豪を説いたりして、特別の救助をさせた者があったが....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
、どれほどの米穀が入っていることか! いずれは素晴らしいものだろう。それを開いて
施米したら、餓死するものもあるまいに、勝手な事情に遮られて、そうすることも出来な....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
った。二人は、この婆が、自分達の家を呪う悪魔の化身のように思えた。
大阪蔵屋敷
施米に群れている群集のどよめきが、調所の居間まで、伝わって来ていた。
米が一両....
「奥の海」より 著者:久生十蘭
曽有の大飢饉となった。奉行所では三条大詰河原に救小屋を建てて行倒れを収容したが、
施米したいにも、ものがなく、救小屋に入ったものは、暮までに、大方、餓死した。 ....
「五右衛門と新左」より 著者:国枝史郎
どの位い世の為めになってるか? これが第一疑わしい。せいぜい殿下の臍繰を攫って、
施米するぐらいがオチでは無いか。そうして殿下の我儘は、そのため毫も抑えられはしな....
「澪標」より 著者:外村繁
、その商売形式は完全な問屋卸しとなっている。天明六年、霖雨。米、麦、綿等暴騰し、
施米している。寛政九年には弟、孝兵衛に新宅を持たせた。 新村孝兵衛家は、寛政九....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
るのか、懐中を大きく膨らませて、その上を城太郎は手で抑えながら、
「お坊さん、お
施米をもらうなら台所の方へ廻らなければだめだよ。裏門を知らないのかい」
と、い....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
の不安と怖ろしい昨夜の騒ぎは消えていない。火消改めの提灯だの町与力の列だの、お布
施米の小屋だのが、大変な混雑である。 その血眼の人たちに、お千絵の消息をたずね....
「べんがら炬燵」より 著者:吉川英治
らした。 木枯らしに吹かれて、女は二つの長い袖を胸に掻きあわせていた。戸ざした
施米小屋の蔭に立っているのである。寒々と、袂の先や、裾がうごいた。そして、遠方か....