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旅の空
「旅の空〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
旅の空の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
壮な感激が催された。考えて見れば一行は、故郷の熊本を後にしてから、ちょうどこれで
旅の空に四度目の夏を迎えるのであった。
彼等はまず京橋《きょうばし》界隈《かい....
「誰」より 著者:太宰治
ちこちうろついて、そうしていつも三鷹の事ばかり考えている。三鷹に帰ると、またすぐ
旅の空をあこがれる。仕事場は、窮屈である。けれども、旅も心細い。私はうろついてば....
「黄村先生言行録」より 著者:太宰治
霊物がいるというのは、ちょっと不審であったが、併《しか》し霊物も身をねじ曲げて、
旅の空の不自由を忍んでいるのかも知れない。正確に一丈は無くとも、伯耆国淀江村のあ....
「新生」より 著者:島崎藤村
でも読み得るの日は何時のことかと、もどかしく思われた。
六十六
旅の空で岸本は既に種々《いろいろ》な年齢を異にし志すところを異にした同胞に邂逅《....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ある。 日光への寄り道を済まして、もう一度三人が千住まで引き返して来たころは、
旅の空で旧暦十一月の十日過ぎを迎えた。その時は、千住からすぐに高輪へと取り、札の....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
好きな物を客にも分けに階下から持って来るところなぞ、このかみさんも届いたものだ。
旅の空で、半蔵もこんな情けのある人を知った。彼の境涯としては、とりわけ人の心の奥....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
この尊き学問につれなかった。しこうして今日もまたつれないのである。故国を追われて
旅の空に眼鏡を磨きつつ思索に耽ったスピノーザの敬虔なる心の尊さ、フィロソフィック....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
出がらしの紅茶と不調和と鬱陶しさを食べて出た。 しかしながら、大阪のカフェーは
旅の空か何かで訪問したらさぞ不思議な竜宮だろう。和洋の令嬢と芸妓、乙姫のイミタシ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
しけりゃ算段のうして、柳の枝を折ぺっしょっても引寄せて取ってやるだ、見さっせえ、
旅の空で、召ものがびしょ濡れだ。)と叱言を言いながら、岸へ来たのを拾おう、と私、....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
うのを聞いて、どんなにか泣いたろう。何てッて頼んでも、母様は肯入れないし、父様は
旅の空。家来や小者はもうみんなが母様におべっかッてるんだから、誰一人|執成してく....
「「平家物語」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:作者不詳
ないほど心細い。さて考えれば此の通盛のはかない情に都の内をさそわれ出て歩みなれぬ
旅の空に出てからもう二年にもなるのに一度もいやなかおをなさらなかったのはほんとう....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
に越えれば阪本駅路、五里六町の里程であった。 西は追分、東は関所 関所越えれば、
旅の空 咽ぶがような歌声が、月の光を水と見て、水の底から哀々と空に向かって澄み....
「女侠伝」より 著者:岡本綺堂
に悩まされてその後はどうもよい心持がしない。からだもだんだん弱って来て、とうとう
旅の空で死ぬようになった。その時かの李香が相宿のよしみで親切に看病してくれたので....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
モ又は俺たち五人の仲間から消えてなくなるのだ。ドモ又の弟はその細君のともちゃんと
旅の空に出かけることになるだろう。俺たちのように良心をもって真剣に働く人間がこん....
「青蛙神」より 著者:岡本綺堂
さんは、あれから三年の間、どこを歩いていなすったのだ。 旅の男 それからそれへと
旅の空をさまよっていました。いや、そんなお話をしていると、長くなります。おあずけ....