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旅中
「旅中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
旅中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
たが、結局事務長の親切を無にする事の気の毒さに、直《すぐ》な心からなおいろいろと
旅中の世話を頼みながら、また大きな紙入れを取り出して切手をたたみ込んでしまった。....
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
九十
偖《さ》て申し続きました深見新吉は、お賤を連れて足かけ五年間の
旅中《たびちゅう》の悪行《あくぎょう》でございまする、不図《ふと》下総の塚前村と....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
上、これを発表し度いのは山々のことであり、出来るだけ売って金を作ってやることは、
旅中の画家に対して一番親切な仕方であるというのである。逸作は、ふだん放漫で磊落な....
「観画談」より 著者:幸田露伴
んだ途方もない僻村の或寺を心ざして、その男は鶴の如くに※せた病躯を運んだ。それは
旅中で知合になった遊歴者、その時分は折節そういう人があったもので、律詩の一、二章....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
舟棚の無い小さい舟は、いったい何処に泊るのか知らん、というのである。 この歌は
旅中の歌だから、他の旅の歌同様、寂しい気持と、家郷(妻)をおもう気持と相纏ってい....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
駅の櫛田屋に休むと、同業三升屋勝次郎の忰に出逢った。これは和国太夫と違って、長の
旅中困難の体に見受けたので、幾らか恵んで別れて出ると、途中で大雨、大雷、ずぶ濡れ....
「飛騨の顔」より 著者:坂口安吾
顔ではない。幾つかのコブがかたまって出来ている顔なのである。こういう顔はその後の
旅中に男には三四見かけたけれども、女では彼女の顔が私の見た唯一のものであった。 ....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
めに欧州に行く前でもあったから、特にこの市場に注意を惹かれたのであった。 この
旅中に日本人の一|喇嘛僧に会い、支那では古来八月十五夜に「月餅」と称する菓子を拵....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
と云って畑へたおれました所を、角右衞門は悪者の髻を取って引仆し、 鹽「やい盗人、
旅中の事ゆえ助けて遣るまいものでもないが、包をよこせ」 悪「はい/\貧の盗みでご....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
の化学者にならなくとも、一流の詩人になったであろう」と。旅行中に詩も作ったし、「
旅中の慰め」という散文もある。 ―――――――――――― ....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
々と夜を徹して語るというようなゆったりした心持のものはもう見られなくなった。その
旅中伊豆の三島から一葉の写真を余の下宿に送ってくれた。それは菅笠を下に置いて草鞋....
「茶の本」より 著者:岡倉由三郎
したヨーロッパの一部を再遊した上で、翌年の秋のなかばに兄は帰朝した。このインドの
旅中に筆を染め諸方の客舎に稿を続けて、翌三十六年の二月にロンドンのマレー書店から....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
です。語るに友なし折々聞ゆるは猛獣の声、ただその前面を流るる水の音と明月とが私の
旅中の困難を慰めるという次第。それがまた非常に佳い景色のように感ぜらるるものです....
「西航日録」より 著者:井上円了
、チベットの茶をのみ、チベットの食を食し、すべてチベット風の生活をなせるは、また
旅中の一興なり。河口氏の話に、チベット人の不潔は、シナよりもインドよりも一層はな....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
十八日、晴れ。太平洋の所見を賦す。 詩嚢酒瓮客中※。 (詩を入れる袋と酒のかめを
旅中たずさえて、句を求めて帆柱に酔いしれつつ詩題にしようとした。米の南北ともに雲....