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旅姿
「旅姿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
旅姿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
重の門を通りぬけたところに、また一人の女が控えていて、彼を案内した。 「何分にも
旅姿をしているので、この上に奥深く通るのは余りに失礼でございます」と、崔は一応辞....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
な痣が印されてあり、老婆の眼瞼には指先ほどの、大きな黒子が附いていた。二人ながら
旅姿で、城下の者とは思われなかった。 チラリと陶器師は二人を見た。だがそのまま....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
た。「はてな?」と云ったのはどうしたのだろう? 十五、六人の侍が、いずれも立派な
旅姿で、スタスタとこっちへ来るからであった。 「こんなに辺鄙な関宿などへ、ああも....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
置いて。…… 周囲が広いから、水差茶道具の類も乗せて置く。 そこで、この男の
旅姿を見た時から、ちゃんと心づもりをしたそうで、深切な宰八|爺いは、夜の具と一所....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
心細く感じましたが、それでもすぐに気を取り直して旅仕度を整えました。私のその時の
旅姿でございますか……。それは現世の
旅姿そのまま、言わばその写しでございます。か....
「甲州鎮撫隊」より 著者:国枝史郎
お邸はこちらでございましょうか」 という、女の声が聞えた。見れば、自分の前に、
旅姿の娘が立っていた。 「左様で」 とお力は答えた。 「新選組の方々が、こちら....
「犬神娘」より 著者:国枝史郎
ように聞こえましたので、そっとその方へ眼をやって見ました。 四十そこそこらしい
旅姿の男が、ご上人様へお茶をあげた例の女の側に、佇んでいるではございませんか。合....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
いる。 小枝は奪われるに相違ない。 しかるにこの頃一人の武士が、汚れ垢じみた
旅姿で、曠野をこっちへ辿って来た。 他ならぬ宮川|茅野雄であった。 輿を担い....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
ていた。 「世上で評判の『ままごと女』のようで」 こう合槌を打つものがあった。
旅姿をした僧侶であった。 「つまり狂人なのでありましょうな」 これも単なる問わ....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
水品陣十郎であった。 それから十日ほど日が経った。 陣十郎と澄江との二人が、
旅姿に身をよそおい、外見からすれば仲のよい夫婦、それでなかったら仲のよい兄妹、そ....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
面は緩い傾斜になっている。 ある春の夕暮近く―― 舞台溶明すると、中央丘の上に、
旅姿の石ノ上ノ綾麻呂と、その息子文麻呂。 遠く、近く、寺々の鐘が鳴り始める。 夕....
「取返し物語」より 著者:岡本かの子
(垂幕、湖水の漣に配して唐崎の松の景。朝の渚鳥が鳴いている。 源右衛門と源兵衛
旅姿で花道より出で来り、程よきところにて立止まる。) 源右衛門『これ、忰、暫らく....
「平家蟹」より 著者:岡本綺堂
頃に捕りに来ようかのう。 (弥平兵衛宗清、四十余歳、今は仏門に入りて雨月という。
旅姿、笠と杖とを持ちていず。) 雨月 これ、これ、平家蟹とは……。どのような蟹じ....
「とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
の辺りまで来た時に、斯う後から訊く者があった。国太郎が振返って驚いた事にはそれは
旅姿の若い僧であった。 ――幾軒もありますが――まあ、K――楼などと言うのが一....
「子供の時分の話」より 著者:小川未明
お銭を取らない。」 私は、屋台にかかっている箱の孔をのぞいてみました。すると、
旅姿をした姉と、弟の二人が目に映ったのであります。 「つぎは、途中で、二人が悪者....