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旅宿
「旅宿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
旅宿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
暑さに引き替えて、涼しき真夜中の幽静《しずか》なるを喜びつつ、福井の金主が待てる
旅宿に赴《おもむ》かんとて、そこまで来たりけるに、ばらばらと小蔭より躍《おど》り....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
よりもむしろ俗か。
(お泊りはどちらじゃな、)といって聞かれたから、私は一人旅の
旅宿のつまらなさを、しみじみ歎息《たんそく》した、第一|盆《ぼん》を持って女中が....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
うにして、旅商人と話をしている。 なつかしい浮世の状を、山の崖から掘り出して、
旅宿に嵌めたように見えた。 座敷は熊の皮である。境は、ふと奥山へ棄てられたよう....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
はまの泣き音に動かされずにはいられない。仕方がないから、佐倉へ降りる。 奥深い
旅宿の一室を借りて三人は次ぎの発車まで休息することにした。おはまは二人の前にひれ....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
る名所が夥い、と聞いて、中二日ばかりの休暇を、紫玉はこの土地に居残った。そして、
旅宿に二人附添った、玉野、玉江という女弟子も連れないで、一人で密と、……日盛もこ....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
候に、もみじもさかり、と聞きました。…… はじめて、泊りました、その土地の町の
旅宿が、まわり合せですか、因縁だか、その宿の隠居夫婦が、よく昔の事を知っていまし....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
その町の曲角で、飛んだ気味の悪い事がありましてね。」 九 「そこの
旅宿の角まで、飯田町の方から来ますとね、妾、俥だったんですけれど、幌が掛っていま....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
一 「このくらいな事が……何の……小児のうち歌留多を取りに行ったと思えば――」 越前の府、武生の、侘しい
旅宿の、雪に埋れた軒を離れて、二町ばかりも進んだ時、吹雪に行悩みながら、私は――....
「雪霊続記」より 著者:泉鏡花
私は決然として、身ごしらえをしたのであります。 「電報を――」 と言って、
旅宿を出ました。 実はなくなりました父が、その危篤の時、東京から帰りますのに、....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
の芸妓、二十二、三の、すらりと婀娜な別嬪のようじゃあない。おのぼりさんが出会した
旅宿万年屋でござる。女中か、せいぜいで――いまはあるか、どうか知らぬ、二軒茶屋で....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
る。 この次手に―― 浅間山の麓にて火車往来の事 軽井沢へ避暑の真似をして、
旅宿の払にまごついたというのではない。後世こそ大事なれと、上総から六部に出たたる....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
私はやや狼狽えていた。 次第を話そうが、三日目のこの朝、再びお悦さんが私たちの
旅宿に音訪れた。またどんな事情があって昨日の幹事連が押寄せないとも限らない、早く....
「妖怪学一斑」より 著者:井上円了
たということが、予言の適中した一証として、暦の裏に書いてありました。それから私が
旅宿に帰って、今日かくかくの奇妙なものを求めてきたということを告げますると、
旅宿....
「西航日録」より 著者:井上円了
都是仏英舟。 (山を背後に海に面し、一望すればはるかに遠い。月の光と潮ざいの音が
旅宿にとどく。はるかに波間に数個の光あるを認む。星の光のごときはすべて仏国と英国....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
去り、五月には豪州の南部に至った。春の夜の夢は昨日のように思いおこされるが、いま
旅宿の庭は秋もたけなわである。) 六日、また快晴。早朝、歩を市街に散ずるに、救....