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「旅役者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

旅役者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
《たちま》ち雄は雌の為に刺し殺されてしまうのである。わたしは伊太利《イタリア》の旅役者の歌劇「カルメン」を演ずるのを見た時、どうもカルメンの一挙一動に蜂を感じて....
デカダン抗議」より 著者:太宰治
えた。浪という芸者が、いましたけれど、いつも男の言うこと聞きすぎて、田舎まわりの旅役者にだまされ、この土地に居られなくなり、いまはASという温泉場で、温泉芸者し....
身投げ救助業」より 著者:菊池寛
ある熊野座という小さい劇場《こや》に、今年の二月から打ち続けている嵐扇太郎という旅役者とありふれた関係に陥ちていた。扇太郎は巧みに娘を唆《そその》かし、母の貯金....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
になりましてな、それからなわじりをとっているそこの両名は、ご城下で興行中の江戸の旅役者どもでござりますから、こよいの命を的にした大役をじゅうぶんおねぎらいなされ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
紀へかけての西洋の宗教画であって、それが何かの機会《はずみ》で浮浪《さすらい》の旅役者の手に移り、海を越えて、この女興行師の手に渡って、珍しい絵看板同様の扱いを....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
するとそのたびに、ナポリの画学生が三日間大富豪になったり、コンスタンチノウプルの旅役者が生れてはじめてすっかり借金を返したり、極東日本の一旅行者夫妻が良人から妻....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ことごとく打明け、あの後家さんの容易ならぬ乱行を、こと細かく語って聞かせました。旅役者か何かとくっついて、先《せん》の夫を毒殺したという専《もっぱ》らの評判。そ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
て急いで名前を記入するような、この小都市の流行好みの風潮を見ると、彼はその名高い旅役者にたいして、軽蔑《けいべつ》的な無関心さを装《よそお》わずにはいられなかっ....
猿ヶ京片耳伝説」より 著者:国枝史郎
「あたし思いあたったわ、あんたきっと役者ね」 「何んだって?」 「あんたきっと旅役者だわ」 「…………」 「とても芝居うまいものね」 男は湯の中へ沈んでしま....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
れるかというと、これにもピンからキリまであって、そのことだけなら、一番ドサ廻りの旅役者がそれをもっている。せめてそれがなければ見物がついて来ないからでしょう。つ....
女侠伝」より 著者:岡本綺堂
ないが、到るところ大評判で興行成績も頗るいい。今までは余り名の売れていない一個の旅役者に過ぎなかった彼が、その名声も俄かにあがって、李香が包孝粛を出しさえすれば....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
は話には成らぬ。世にも不思議な拷問で、もう五六人は殺されたろう。阿波の高市に来た旅役者の嵐雛丸も殺された。越後の縮売の若い者も殺された。それから京の旅画師に小田....
丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
見した。ここに謎の人が泊り合せて虫の息でいるのであった。それは七化の小紋三という旅役者であった。 小紋三は丹那の鎮守で、忠臣蔵の早替わりを演じた夜、村の若者に....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
ら、普通には鈍帳芝居と卑しまれて、殆んど問題にもされなかったのである。その俳優は旅役者の果てもあれば、小芝居|根生いの者もあったが、またそのうちには何かの事情で....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
際もしないということになっているそうであります。また部落を成しておらぬものでも、旅役者などはやはり賤しめらるる場合が多いのでありますが、大体に於いてこの階級の人....