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旅支度
「旅支度〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
旅支度の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鯉魚」より 著者:岡本かの子
とほとんど路銀も持たずただ一人、この街道を踏《ふ》み出して来たのでした。しかし、
旅支度さえ充分でない上にすぐと悪漢達に追いかけられたりして、姫は全く不安と饑えと....
「新生」より 著者:島崎藤村
彼はなるべく人目につくことを避けようとした。送別会の催しなども断れるだけ断った。
旅支度《たびじたく》が調《ととの》うまでは諸方への通知も出さずに置いた。彼が横浜....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
でしょうね。じゃあ、あした又、様子を聞きに来ます」 多吉の帰ったあとで、半七は
旅支度にかかった。横浜までは一日の道中に過ぎないが、その時代には一種の旅である。....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
来たというわけです。これには女房も驚いたが今さら仕方がない。夫婦はその晩のうちに
旅支度をして、六本の蝋燭をかかえて夜逃げをしてしまったんです。 それからひと先....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
辿って来るのは、この時代では一つの旅である。しかも見たところでは、この娘はなんの
旅支度もしていない。笠もなく、手荷物もなく、草鞋すらも穿いていない。彼女は浴衣の....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
っても宜しゅうございます、心配ございません」 そんならばと申すので、是から段々
旅支度をして、いよ/\翌日立つという前晩に、忠平が親父の許へ手紙を遣りました。親....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
て相川は孝助を連れて我屋敷に帰り、互に無事を悦び、其の夜は過ぎて翌日の朝、孝助は
旅支度の用意の為め、小網町辺へ行って種々買物をしようと家を立ち出で、神田旅籠町へ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ず思いついて、上方へ修行に上り候《そうろう》、雪踏《せった》を穿《は》き候まま、
旅支度も致さず参りしこと故、相なるべくはお通し下され候様に、と言ったら、番頭《ば....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
そうですかい。それじゃア、何をおいても、お供させていただきましょう」 さっそく
旅支度をととのえ、二人に案内されて、川越在の千頭家へおもむいた。きいてみれば、村....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
私茅野雄めの邸を、警戒いたしましてござります。ところが今朝になりまして、にわかに
旅支度をいたしまして、茅野雄には邸を立ちいでましたので、すぐに私|事玄関へかかり....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
れませんや」
八郎太は、七瀬に
「支度をせんか」
七瀬は、風呂敷包の中から、
旅支度の品々を、取り出した。綱手が手伝った。
「旦那、待っておくんなさい。あっし....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
こえる。約三十分にわたって、断続する。私はいきなりペンを投げだして、洋服をきて、
旅支度をはじめる。大島のバクハツに相違ない。伊東は川奈の岬が突きだして視界をさえ....
「土竜」より 著者:佐左木俊郎
た。 汽車の通る町までは、三里に近い道程があった。市平は夜半の二時頃から起きて
旅支度にかかった。長い徒歩の時間が彼をせきたてていた。 「ほんでは、汝あ、まだ行....
「岩魚」より 著者:佐藤垢石
、紀州の高野山へも一家安泰を願かけた。賢彌となづけた孫が二歳となった春など、自ら
旅支度を整えて、善光寺から越前の永平寺へ、京都の神仏を歴詣し、高野山から伊勢大神....
「墓地の殺人」より 著者:小酒井不木
も、念のために検べさせておいてくださいませんか」 かくて私たちは一行と別れて、
旅支度をすべく実験室に帰りました。 汽車の時間の都合で、私たちはその夜十一時東....