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「旅疲れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

旅疲れの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
んたろう》が体を横たえたのは、その夜の十二時近くだった。彼は叔母の言葉通り、実際旅疲れを感じていた。が、いよいよ電燈を消して見ると、何度か寝反《ねがえ》りを繰り....
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
れてしまったよ」と、治六は悲しそうな眼をしばたたいた。 亭主はしばらく黙って、旅疲ればかりではないらしい彼の痩せた顔を見つめていた。 「お家が潰れた」と、亭主....
新生」より 著者:島崎藤村
本には嬉しかった。 何よりも先《ま》ず岸本の願いは自分ながら驚くばかりの激しい旅疲れを少しずつ休める事であった。そういう場合には、彼は二人の子供の側へ行った。....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
当然で、併し布施のない経は功徳にならんと云うから、これは戴きます、左様ならば私は旅疲れゆえ直ぐに寝ます、ま御免なさい」 と立ちかけるを留めて、 竹「あなた少々....
」より 著者:島崎藤村
ったような気のしたのも、そういう時であったことを思い出した。 しかし、こういう旅疲れも自然とぬけて行った。そして、そこから私が身を起こしたころには、過ぐる七年....
三人の相馬大作」より 著者:直木三十五
のが立っているのを見ると、侍らしくなって歩き出した。 少し、襟垢がついていて、旅疲れを思わせる着物であるが、平島羽二重《ひらしまはぶたえ》の濃紫紺、黒|縮緬《....
二重心臓」より 著者:夢野久作
思って……」 こんなヒソヒソ話が進行しているのは一階正面中央の特等席であった。旅疲れのままで、一層、醜くくなった職工風の江馬兆策と、青白いワンピースに、タスカ....
バルザックの寝巻姿」より 著者:吉行エイスケ
で、不吉な予感をその時感じたのです。 妾達がホテルに帰ると、妾の部屋で支配人と旅疲れのしたロダンさんが、妾の帰るのを待っていました。 そこで妾は、巴里のロダ....
女性週評」より 著者:宮本百合子
豆双葉の死 豆双葉金一君が、はるばる九州から上京した三日目に、旅疲れから哀れ果敢《はか》なく六つの命を終ったことは世人をおどろかし又様々の感想....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
こんなところで、旧知の人を見ようとは想像以外であったのか、或いは兵馬そのものが、旅疲れでやつれ果て、見違えられていたか、とにかく、充分に因縁のある二人が、ここで....
源氏物語」より 著者:紫式部
ざいまして参詣いたしました帰りに宇治の院という所に休んでおりますうちに、母の尼が旅疲れで発病いたしまして、重そうに見えると申すしらせが私の所へあったものですから....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
家の軒下に修行者が立って居りまする。自分も永らく四国西国巡礼して居りましたから、旅疲れの人を見ると、自分の旅で難儀をしたことを思い出すと見えまして、 重「申し御....
私本太平記」より 著者:吉川英治
みの武将なのだ。 「そうか。帝のご不予も、たいしたことではないのだな」 「は。お旅疲れは、もちろんでございましょうが」 「道誉は」 「いつに変らず、世辞のよい御....
私本太平記」より 著者:吉川英治
忠顕と行房とは、彼を迎えながら、いま知ったように、わざと言った。 「さればちと旅疲れで、帰島以来、引き籠っておりました。きけばお上にも御不例とか」 「いや、お....