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旅立つ
「旅立つ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
旅立つの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
自分を慕っていはしたが岡も上陸してしまえば、詮方《せんかた》なくボストンのほうに
旅立つ用意をするだろう。そしてやがて自分の事もいつとはなしに忘れてしまうだろう。....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て、事が面倒になって来たのと、一方の佐藤は長崎出役を命ぜられて西国《さいこく》へ
旅立つことになったのとで、お近は遂に金田の隠居を殺害してその手箱から盗み出した三....
「灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
けれども、やがて彼女の身に愛の実の稔るころには、おとこの心は船に乗って、遠い国へ
旅立つ……そしてひとすじの心を偽られた彼女は、堪え難い憎しみを抱いて、故郷へ帰る....
「わが町」より 著者:織田作之助
しては、アメリカの沈船を引揚げにマニラへ行けとは言わなんだけれど、〆団治が南方へ
旅立つその日、マニラへの郷愁にかりたてられて、重い病気をおして星の劇場へ行き、南....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
。――いや、アメリカどころか、何千万キロ先のひろびろとした宇宙のまっ只中めがけて
旅立つのだ。 帆村荘六は、三根夫に、あと三時間の自由行動をゆるした。そして本日....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
るとはいえ、まるで人形の花嫁のようであった。ミチミは寝棺のなかに入って、これから
旅立つ華やかなお嫁入りを悦ぶものの如く、口辺に薄笑さえ湛えているのであった。 ....
「幾度目かの最期」より 著者:久坂葉子
ているのです。小母様、もう一度会いたいと思う。だけど不可能です。明日、私は武生へ
旅立つべきでしょうか。武生へゆく旅費はあるのです。 小母様、私はこれをよみかえ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
の邸をあとにして、ピザへ出発した。そのおり彼の新妻は身重であったので、夫と一緒に
旅立つことが出来なかった。 「以上はガブリエル夫人が私に打ち明けた物語であるが、....
「母を尋ねて三千里」より 著者:アミーチスエドモンド・デ
三等切符を一枚ただくれました。 そこでいよいよマルコは父親も承知してくれたので
旅立つことになりました。父と兄とはふくろにマルコの着物を入れ、マルコのポケットに....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
こう! しばらくその家に厄介になって、お前がすっかり元気になってから改めて東国へ
旅立つことにしよう!……ね? いいだろ?……さあ、なよたけ! とにかく、この丘を....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
怒りっぽいオランダ人の農夫から馬を借り、威風堂々とそれにまたがり、冒険をもとめて
旅立つ武者修行者よろしくのていで、駈けだした。ところで、わたしは当然、伝奇物語の....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
高等師範近所と判断するが当っているだろう。 ところで信乃がいよいよ明日は滸我へ
旅立つという前晩、川狩へ行って蟇六の詭計に陥められて危なく川底へ沈められようとし....
「馬を殺したからす」より 著者:小川未明
んで楽に暮らしていける。」と、考えましたので、ついにその気になって、南に向かって
旅立つことにいたしました。 からすは、かもめのように空を高く、また速く飛ぶこと....
「子供の時分の話」より 著者:小川未明
近寄っていきました。 「さあ、その孔からのぞき。第一は姉と弟とが、母親をたずねて
旅立つところ。さあさあのぞき。一人のうちはお銭を取らない。」 私は、屋台にかか....
「春がくる前」より 著者:小川未明
、その景色をながめたり、また私どもの仲間の生活を見てきたいものだと思って、いま、
旅立つ途中にあるのでございます。」と、若いうぐいすは、目に涙をためて答えました。....