旅装[語句情報] » 旅装

「旅装〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

旅装の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
れどれ」と見向く年増の背後《うしろ》に声ありて、 「おい、そろそろ出掛けようぜ」旅装束したる四、五人の男は二人のそばに立ち住《ど》まりぬ。年増は直ちに猿を抱き取....
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
は吾輩である。吾輩は元来ここまで一行を見送り、明日は失敬して帰京する予定なので、旅装も何もして来なかったが、新手《あらて》の武者さえ馳《は》せ加わっては、見苦し....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
しました。それは今から三年前の冬のことなのです。私はカールスルーエの高等工学院に旅装をとき機械工学の研究のため学校の中に起居していました。そこでは人に応接する面....
闖入者」より 著者:大阪圭吉
ずつの大きな窓がついていた。川口亜太郎の死はこの二階の東室で発見された。 まだ旅装も解かぬままにその上へ仕事着を着、右手には絵筆をしっかりと握って、部屋の中央....
大使館の始末機関」より 著者:海野十三
をばらばらに解体し、それを例の三つのトランクに収めた。そしてこんどはきちんとした旅装をととのえ、トランクをかつぐと、莨をぷかぷかとふかしながら、悠々とこの館をふらふらと出ていってしまったのであった。....
古狢」より 著者:泉鏡花
手を取った。 背後から、 「失礼ですが、貴方……」 前刻の蓮根市の影法師が、旅装で、白皙の紳士になり、且つ指環を、竈の火に彩られて顕われた。 「おお、これは....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
ら意味ありげに言った。 「わたしは遂にそれを発見したよ。」 彼はほこりだらけの旅装束のままで、すぐに仕事に没頭した。大理石はアウレリウスの冴えた槌の音をそのま....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
直しました。むろん心でただそう思いさえすればそれで宜しいので、そうすると今までの旅装束がその場できちんとした謁見の服装に変るのでございます。そんな事でもできなけ....
海亀」より 著者:岡本綺堂
ああ、そうしておくれ。美智子も待っているだろう。」と、母は眼をうるませて言った。旅装のままで――といったところで、白飛白の単衣に小倉の袴をはいただけの僕は、麦わ....
大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
が紋太郎の眼前へ顔を出した。で紋太郎は腕を組んだ。 その翌日のことであったが、旅装束の若侍が木曽街道を歩いていた。他でもない藪紋太郎である。 板橋、わらび、....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
せんよ」 猛烈な嫉妬心を、其肥満の体躯全部に貯えているのが生縄のお鉄で有った。旅装束何から何まで行き届かして、機嫌|克くお鉄は送り出して呉れた。 鉄無地の道....
エキゾチックな港街」より 著者:小野佐世男
の頃はこの通りでさァ――」 と、なんとなくしょげ切っている。山水楼という旅館に旅装をといたのだが、一風呂あびて部屋に帰ると、アアッと驚いた。スーツケースもスケ....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
が何だか少しく煙に巻かれたが、兎も角も大変とあっては聞捨てにならぬ。忠一は早々に旅装を整えて帰郷の途に就いた。 富山へ来ると、例の噂が既う一面に拡っていて、各....
西航日録」より 著者:井上円了
その姿を人に示さず。ゆえに、かくよめるなり。その夜より雲ようやく晴る。よって即夜旅装を整え、翌朝三時寓居を発し、月をいただきて行くこと六マイル、タイガーヒル(T....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
にしかず」というが、余は「百読一見にしかず」と思い実地見聞の必要を認め、にわかに旅装を整え、まず豪州に向かいて発程す。本邦を去るに臨み、左の書簡をもって知友に告....