旅装い[語句情報] » 旅装い

「旅装い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

旅装いの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
先頭を切っている。それに引き添ったは集五郎である。それに続いて三十余人の武士が、旅装いかめしく付いて行く。一ツ橋家の武士である。 右手は鬱々とした森である。左....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の荷物――草鞋《わらじ》脚絆《きゃはん》に、いつもするような無雑作《むぞうさ》な旅装いではあるが、ただ、いつもと変っているのは、与八の腰に帯びた一梃の鉈《なた》....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
呆然として、ただ立ち尽しているのです。 笠も、合羽もつけないで、黒い紋附に、旅装い甲斐甲斐しい宇津木兵馬の立ち姿が、秋草の乱れた中に立ち尽していることだけは....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
た。 裾べり野袴に菅の笠、柄袋をかけた細身の大小、あられ小紋の手甲に脚絆、――旅装いは尋常であった。 峠の路は歩きにくい、野茨が野袴の裾を引いたり、崖から落....
弓道中祖伝」より 著者:国枝史郎
い宿がござらばお世話下され」 こう云って足を止めたのは、三十二三の若い武士で、旅装いに身をかためていた。くくり袴、武者|草鞋、右の肩から左の脇へ、包を斜に背負....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
探す眼の範囲はだんだん拡がって行った。――と、その態を見て笑いながら近づいて来た旅装いの若い女性が、 「何か落したのですか」 と、親切に訊ねてくれる。 城太....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ごそうと考えていつまでも虎の皮の前に立っていた。――すると、ふと自分の顔の前に、旅装いの老夫婦が立って、 「権叔父よ。この虎は、死んでいるのじゃろうが」 と、....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
来た時、柘榴の実をぶつけてやったおばばではないか。見たところ、その折とは違って、旅装いも改まっているのだ。こんな沢山な侍たちの中に交じって、一体どこへ行く所なの....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
から彼の背後に立って怪訝しげに眺めていた婦人がある。娘と母であろう、二人とも軽い旅装いはしているが身綺麗にして、男の供も連れていない様子。近国に住む良家の者の、....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
と、少し不審がないでもないように思われます」 「そして、風態や年頃は」 「一人は旅装いの三十二、三、これは武家|態でござって、一人は弁慶格子の着ものを着た町人で....
私本太平記」より 著者:吉川英治
。卯木に、ひと目、会いとうて」 「え。ひと目と仰せられますのは」 「すぐ、夫婦に旅装いを急がすがいい。……そのうえで、わしの待つ一間へ連れて来てくれい。長い別れ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
、一頭の荷馬と七人ほどの野武士ていの群れで、女は一人きりだった。――いずれもが、旅装いで、並木の木蔭に休んでいたところを、折ふし村の田楽たちが通りかかって、 「....