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「旅装束〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

旅装束の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
れどれ」と見向く年増の背後《うしろ》に声ありて、 「おい、そろそろ出掛けようぜ」旅装束したる四、五人の男は二人のそばに立ち住《ど》まりぬ。年増は直ちに猿を抱き取....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
みせた者は、右門のにらんだとおり、ひと目にそれと察しられる三人の旗本と、それから旅装束の一人でありました。念を押してみるまでもなく、旅装束のその小がらのやつが、....
新生」より 著者:島崎藤村
こうとしてその停車場に群がり集る独逸人もしくは墺地利《オーストリア》人はいずれも旅装束で、構内の敷石の上へ直接《じか》に足を投出し汽車の出るのを待っていた。岸本....
黄英」より 著者:田中貢太郎
意をしてあった。それはあらかじめ弟の帰るのを知っていたかのように。 陶は帰って旅装束を解くと、人をやとうて亭園をしつらえさした。そして毎日馬と棋をやったり酒を....
あの顔」より 著者:林不忘
つめているふうだった。電光が走り過ぎて、男の外線がくっきり浮かんだ。きりっとした旅装束で、片手に、笠を掻いこんでいた。 お久美は、ふところへ飛びこむように、駈....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
されているものと見なければなりません。 道庵も江戸へ帰るものと見えて、すっかり旅装束《たびしょうぞく》になっていました。その時にお松が、 「先生、道庵先生」 ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
けて来た仏兵助は、さっぱりした浴衣《ゆかた》をつけて、片脇には別に一抱えの衣類と旅装束、菅笠までを用意している。 ここで一同は鳴りを静めて、道をあけて通す。 ....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
ら意味ありげに言った。 「わたしは遂にそれを発見したよ。」 彼はほこりだらけの旅装束のままで、すぐに仕事に没頭した。大理石はアウレリウスの冴えた槌の音をそのま....
立山の亡者宿」より 著者:田中貢太郎
いう菅笠があった。 客は江戸の下谷長者町の小八と云う者であるらしい。主翁は急に旅装束をして江戸に向けて出発した。 四 夕方、下谷の小八の家では....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
直しました。むろん心でただそう思いさえすればそれで宜しいので、そうすると今までの旅装束がその場できちんとした謁見の服装に変るのでございます。そんな事でもできなけ....
山姑の怪」より 著者:田中貢太郎
り他に手段がないと思った。彼は此処では好い商がないから会津の方へ往こうと云って、旅装束をして二人で家を出た。 そして、山路を往ってその日の午比、小さな辻堂のあ....
海神に祈る」より 著者:田中貢太郎
れていた。 権兵衛は役所の近くまで往った。其処に二疋の馬がいて傍に陣笠を冠った旅装束の武士が二人立ち、それと並んで権兵衛の下僚の者が二三人いた。権兵衛は急いで....
大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
が紋太郎の眼前へ顔を出した。で紋太郎は腕を組んだ。 その翌日のことであったが、旅装束の若侍が木曽街道を歩いていた。他でもない藪紋太郎である。 板橋、わらび、....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
せんよ」 猛烈な嫉妬心を、其肥満の体躯全部に貯えているのが生縄のお鉄で有った。旅装束何から何まで行き届かして、機嫌|克くお鉄は送り出して呉れた。 鉄無地の道....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
突っ込んだ。並居る一同生きたこころもない。に組の常吉、海老床甚八、それに番頭と、旅装束のままの弥吉とが、力をあわせて押し返す群衆を制している。 手早く洗って引....