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「旅館〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

旅館の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
疑惑」より 著者:芥川竜之介
せん》によって、万事がこの我儘な希望通り取計らわれたばかりでなく、宿も特に普通の旅館を避けて、町内の素封家《そほうか》N氏の別荘とかになっている閑静な住居《すま....
」より 著者:芥川竜之介
》には、西洋風に壁を塗った、しかも日本風の畳がある、――上海《シャンハイ》特有の旅館の二階が、一部分はっきり映《うつ》っている。まずつきあたりに空色の壁、それか....
或る女」より 著者:有島武郎
が頭からすっぽりとふとんをかぶって、いびきも立てずに熟睡していた。料理屋を兼ねた旅館のに似合わしい華手《はで》な縮緬《ちりめん》の夜具の上にはもうだいぶ高くなっ....
小さき者へ」より 著者:有島武郎
前たちの母上は程なくK海岸にささやかな貸別荘を借りて住む事になり、私たちは近所の旅館に宿を取って、そこから見舞いに通った。一時は病勢が非常に衰えたように見えた。....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
後年地方長官会議の節《せつ》に上京なされると、電話第何番と言うのが見得《みえ》の旅館へ宿って、葱《ねぎ》の※《おくび》で、東京の町へ出らるる御身分とは夢にも思わ....
春昼」より 著者:泉鏡花
きその停車場最寄の処に、」 「しばらく、」 「先々月あたりから、」 「いずれ、御旅館で、」 「否、一室借りまして自炊です。」 「は、は、さようで。いや、不躾であ....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
つ三つ、星に似て、ただ町の屋根は音のない波を連ねた中に、森の雲に包まれつつ、その旅館――桂井の二階の欄干が、あたかも大船の甲板のように、浮いている。 が、鬼神....
革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
「確かに聞えるんです。」 と云った。私たち二人は、その晩、長野の町の一大構の旅館の奥の、母屋から板廊下を遠く隔てた離座敷らしい十畳の広間に泊った。 はじめ....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
雪に、足駄でなし、草鞋でなし、中ぶらりに右のつッかけ穿で、ストンと落ちるように、旅館から、上草履で出たと見えます。……その癖、一生の晴着というので、母さん譲りの....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
ど無関心な銑吉も、聞きつつ、早くまず耳を傾けた。 在所には、旦那方の泊るような旅館がない。片原の町へ宿を取って、鳥博士は、夏から秋へかけて、その時々。足繁くな....
縁結び」より 著者:泉鏡花
襖を開けて、旅館の女中が、 「旦那、」 と上調子の尻上りに云って、坐りもやらず莞爾と笑いか....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
て、養子の魂を見取ってからは、いきぬきに、時々伊豆の湯治に出掛けた。――この温泉旅館の井菊屋と云うのが定宿で、十幾年来、馴染も深く、ほとんど親類づき合いになって....
雪霊記事」より 著者:泉鏡花
聞えた刀鍛冶も住みました。今も鍛冶屋が軒を並べて、その中に、柳とともに目立つのは旅館であります。 が、もう目貫の町は過ぎた、次第に場末、町端れの――と言うとす....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
いながら、とつおいつのうち、お絹が、四五人で客に連れられて来たのだけれど、いまは旅館に一人で残った…… (早う、あんたはんの許へ来とうて、来とうてな。) いよ....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
年十二月、舞鶴要塞司令官に転任。舞鶴の冬は毎日雪か雨で晴天はほとんどない。しかし旅館清和楼の一室に久し振りに余り来訪者もなく、のどかに読書や空想に時間を過ごし得....