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旋廻
「旋廻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
旋廻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
あ、面目次第もない。 騎士が悟って、おかしがって、笑う事笑う事、上身をほとんど
旋廻して、鎧の腹筋を捩る処へ、以前のが、銚子を持参。で、入れかわるように駆出した....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
て、帝都へはなかなか近よらず。そのうちに情報が出て「敵機は依然として、関東北部を
旋廻中なり。薄暮時期帝都に侵入のおそれあり、警戒を要す」とのべた。さあ松ちゃんが....
「空襲下の日本」より 著者:海野十三
は、聴音隊からの刻々の報告によって、まだ灯火の点かない真暗な鏡面をジリジリ細かく
旋廻している。点減手はスウィッチの把手を握りしめている。もう耳にも敵機の轟々たる....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
いた青年は、腕組みして、強い息を吐きながら、折りしも点きかけた町のネオンサインの
旋廻を眺めながら言いました。 「僕も、無駄を平気でやれるような人間になろう」 ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、向うの廊下に出ると、そこは袋廊下の行き詰りになっていて、左は、本館の横手にある
旋廻階段のテラスに出る扉。右へ数えて五つ目が現場の室だった。部厚な扉の両面には、....
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
此の上もない好機だったのですが膜嚢が破れて飛び出した砒化水素は、炸裂に際して起る
旋廻気流が上方にあったため、それに押されて、長い紐状となって下降して行きました。....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
た。船体が、ビリビリ震動して、闇に迫る怪艇の眼から遁れようとした。 高速力で、
旋廻を試みながら、絶えず、花火のような火箭を打ち上げていた。しかし、波間の灯は、....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
なってピインと突っ張ってしまう頃には、それに加速度も加わって、まるで独楽のような
旋廻になってしまったのだよ。そう判ると、格子扉から落ちて来る唯一の光線の中で、宛....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
に変って行ったが、青|羅紗の凸凹の台の上にレコードはへたばりへたばりキイキイ声で
旋廻した。 わるいので、そこで誰かの帽子を裏向けにすると、みんなが銀貨のなにが....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
云った。それから青年へ眼をやったが、「銀盆を!」と命ずるように云った。 つとと
旋廻し、爪先で歩いて火炉まで行ったが、筒形の釜の真上の辺で、そろそろと盆を傾むけ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
に眺めて暮らした。ヴェニス市民の全生活が、その、赤土沼のような水の表面を、ゆるく
旋廻して通り過ぎつつあったのだ。それは、古靴の片っぽ、破れた洋傘、果物の皮、死ん....
「入院患者」より 著者:ドイルアーサー・コナン
かの用にしようと思って持って来た滑車を絞首台をつくるのに応用したんですね。その螺
旋廻しと螺旋とで、それをしっかりそこにくくりつけたんです。それからブレシントンを....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
とがありません。清澄の茂太郎にとっては、天上の星の一つ一つが、充分にその美しさを
旋廻して見せるのですから、見れども飽くということを知らず、ある時は星と共に大空の....
「山吹町の殺人」より 著者:平林初之輔
けて靴を穿《は》こうとした。彼の視神経は忽《たちま》ち緊張し、彼の視線は急速度で
旋廻《せんかい》する探照灯のように前後左右へ
旋廻した。 靴がないのだ。たしかに....
「春は馬車に乗って」より 著者:横光利一
ばならなかった。それでも時には、妻の理論は急激に傾きながら、彼の急所を突き通して
旋廻することが度々《たびたび》あった。 「実際、俺はお前の傍に坐っているのは、そ....