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旋律
「旋律〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
旋律の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
」
「しかしあの巡査は耳があるのですか?」
「さあ、それは疑問ですね。たぶん今の
旋律を聞いているうちに細君といっしょに寝ている時の心臓の鼓動でも思い出したのでし....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
ともに、自分の心の中にもまた、情緒の水のささやきが、靄の底を流れる大川の水と同じ
旋律をうたっているような気がせずにはいられないのである。
けれども、自分を魅....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
べひさお》氏の論文「日本音楽の理論附粋の研究{4}」によれば、音楽上の「いき」は
旋律《せんりつ》とリズムの二方面に表われている。
旋律の規範としての音階は、わが国....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
踏みのようにも思えたけれど、この真黒な一団が眼前に現われたとき、不意に狂わしげな
旋律をもった神楽《かぐら》歌が唱い出され、それがもの恐ろしくも鳴り渡っていった。....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
に役立った。聞くともなしに聞いていると、なんのことだ、それは彼にも聞き覚えのある
旋律であったではないか。それはいま小学生でも知っている「赤い苺の実」の歌だった。....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
けると、セレナ夫人はたちまち混乱したようになってしまって、冒頭の音節から詩特有の
旋律を失ってしまった、「その|短剣の刻印に吾が身は慄え戦きぬ――が、どうして。あ....
「火星探険」より 著者:海野十三
と停まる。彼の勝ち誇っていきり立った触角がだらりと下がり、そしてやがてそれは曲の
旋律にあわせて、すこしずつくねり出した。 ふしぎにも、音楽には弱い火星人だった....
「『新訳源氏物語』初版の序」より 著者:上田敏
然のままの面白味が多いようだ。 しかも時代の変遷はおのずから節奏の変化を促し、
旋律は同じでも、拍子が速くなる。それ故に古の文章に対う時は、同じ高低、同じ連続の....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
かったその足跡の、いや靴跡の中に、どうだい、よく見ると、なにかしら或るひとつの、
旋律――と言った様なものがあるじゃないか。僕は思わず声を上げた。そして、そう思っ....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
きに応じ、情勢につれて、自由に変形され展開されるとはいえ、絶えず、底をゆく無音の
旋律はおなじである。 読者諸君も、つぎの概説中にある黒字の個所に御留意くだされ....
「火の扉」より 著者:岸田国士
に織りこまれた感情のあやが、過ぎ去つた自分の心の歴史と結びついて胸のうずくような
旋律ばかりであることに気がつく。 手あたり次第に、そのうちの一つを楽譜台の上に....
「文学座『夢を喰ふ女』を演出して」より 著者:岸田国士
の工夫があつた。言いかえればこの戯曲の上演にはオーケストラの演奏のような、調和と
旋律をねらつたものであり、そのつもりで観てもらいたいと演出者として希望するのである。(三月十六日談)....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
うら るうら るら 春風にざわめく竹林の音と、わらべ達の謡う愛らしい童謡の
旋律と、時折|淋しげに鳴く山鴿の鳴声が、微妙に入り交り、織りなされ、不可思議な「....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
、その頃練兵場であった日比谷の原を隔てて鹿鳴館の白い壁からオーケストラの美くしい
旋律が行人を誘って文明の微醺を与えた。今なら文部省に睨まれ教育界から顰蹙される頗....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
n は Symphonie en Ut mineur『第五交響曲』のあらゆる主要
旋律が、互いに緊密な血族関係を持っていることに驚かされていた。今や、最近の研究家....