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「旗亭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

旗亭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
柿の種」より 著者:寺田寅彦
は詩人になった。(大正九年八月、渋柿) * 根津権現の境内のある旗亭で大学生が数人会していた。 夜がふけて、あたりが静かになったころに、どこか....
写生紀行」より 著者:寺田寅彦
て集まっていた。遠くで見ると草花が咲いているようで美しかった。 腹がへったので旗亭の一つにはいって昼飯を食った。時候はずれでそして休日でもないせいか他にお客は....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
く、全くあたりの草木の奇しき形相と水だらけの世界は私に海底の心を起さしめた。ある旗亭でめしを食いつつ見おろした。嵐の瀞の光景は白い波と泥だらけの八丁だった。 ....
異郷」より 著者:寺田寅彦
った人の言葉を想い出させる。 船が着いてから小さな丘に上って行った。丘の頂には旗亭がある。その前の平地に沢山のテエブルと椅子が並べてあって、それがほとんど空席....
わかれ」より 著者:国木田独歩
ちて道にのぼり、小走りに駆け入りしは騎馬隊の兵士が常に集まりて酒飲むこの街唯一の旗亭なり。少女は軒下にて足を停め、今一度青年の方を見たり。 今こそ思い出でぬ、....
鴉片を喫む美少年」より 著者:国枝史郎
事につけても思い出すのだがね。 黄浦河の岸に楊柳の花が咲いて散って空に飜えり、旗亭や茶館や画舫などへ、鵞毛のように降りかかる季節、四五月の季節が来ようものなら....
銀三十枚」より 著者:国枝史郎
と、きっと彼女は云ったものである。 「ご機嫌ね、柄にないわ」 ……時々|交際で旗亭へ行き、さり気なく家へ帰って来ると、三間も離れて居りながら、 「厭な凸坊、キ....
岷山の隠士」より 著者:国枝史郎
窺われるではないか。 彼は翰林供奉となっても、出勤しようとはしなかった。長安の旗亭に酒を飲み、いう所の管ばかりを巻いていた。 「李白に会いたいと思ったら、長安....
淡紫裳」より 著者:佐藤垢石
を受けて卒業すると、そのまま誰に抱えられる訳ではなく、女の一つの立派な職業として旗亭の招きに応じ客に唄と舞を供する。勿論、酌もするのだ。 お牧の茶屋の収穫は、....
赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
亜の壁との調和にあるね。但しそういう美しさを備えている家主はブルジョアの家屋か、旗亭であることを知らなければならない。 戎克の美しさを知ったのも此時だよ。蓆の....
小山内薫先生劇場葬公文」より 著者:久保栄
築地小劇場劇団部主事小山内薫先生は、昭和三年十二月二十五日午後七時、日本橋亀島町旗亭「偕楽園」において発病、主治医蘆原信之氏看護のもとに危篤のまま四谷南寺町七番....
西航日録」より 著者:井上円了
空白、老杉繞水一渓青、絶無人跡渾蕭颯、唯有風光自秀霊、今夕不知何処宿、鉄車直下入旗亭。 (洛山の山なみの深いところは、あかつきになお暗く、雲の影は窓辺をさえぎっ....
金山揷話」より 著者:大鹿卓
という通知があって、また滞在を一日延した。私達は石原の札幌着を待って、四人は或る旗亭で痛飲深更に及んだ。 その夜私は森山とは別々に、土田や石原の定宿へ来て泊り....
くちこ」より 著者:北大路魯山人
、そのなんであるかを当てる者は少ない。 金沢を中心にして北陸では、一流どころの旗亭なら、大抵は突出しに出してくれる。しかし、五匁ほどだ。これをお替りすると、五....
日本料理の要点」より 著者:北大路魯山人
けの点においても、甚だ不徹底極まるものであって、これがかつて、それぞれ京都一流の旗亭に在って、主要なる務めを果されていた諸君の仕事とは、どうしても受け取れなかっ....