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旗色
「旗色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
旗色の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
。ある時は結婚を悔いた。ある時はお前たちの誕生を悪《にく》んだ。何故自分の生活の
旗色をもっと鮮明にしない中に結婚なぞをしたか。妻のある為めに後ろに引きずって行か....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
れとも、インチキに挑戦して行く破れかぶれの賭のスリルだろうか。 京吉はたちまち
旗色が悪くなって行き、イーチャンが済む頃には、もう四千もすっていた。 「京ちゃん....
「橡の花」より 著者:梶井基次郎
風に大きくなればなる程そうしなければならぬと思ったのです。――然しそれがどちらの
旗色であれ、他人のたてたどんな
旗色にも動かされる人間でないことを彼は段々証して来....
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
番頭新造《ばんとうしんぞう》の手にも負えなくなって来た。駿河屋の女中は自分の方の
旗色がどうも悪いと見て、急いで家《うち》へ飛んで帰って、女房にこの始末を訴えた。....
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
辱戦であったから、掛け声は昨日にもまして激しかった。 紅軍は、昨日よりもさらに
旗色が悪かった。大将の忠直卿が出られた時には、白軍には大将、副将をはじめ、六人の....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
中の射撃戦を凝視していた雁金検事や大江山捜査課長などの首脳部一行は、早くも味方の
旗色の悪いのを見てとった。 「大江山君、この儘じゃあ危いぞ。警官隊に突撃しろと号....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
して馬前に討死した。越軍の竜字の旗は、いよいよ朝風の中に進出して来る。 甲軍の
旗色次第に悪く、信玄牀几の辺りに居た直属の部下も各自信玄を離れて戦うにいたり、牀....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
欧州全土を席巻したり。南地中海岸より北スカンジナーヴに至るまで大小の諸国は仏国の
旗色を見て降を請い、万乗の王公は仏国武官の監督を受けてわずかにその位を保ちその政....
「火星兵団」より 著者:海野十三
手柄にしようと思って、大いにがんばったのであった。
ところが、どうも佐々の方が
旗色が悪い。助けの声を出そうにも、声を出す隙さえないという有様だった。
「あっ…....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
国の武士どもが附き随い、殆んど連日戦闘のない日とてもない有様でした……。私の父は
旗色の悪い南朝方のもので、従って私どもは生前に随分数々の苦労辛酸を嘗めました……....
「牛若と弁慶」より 著者:楠山正雄
|人の子供がありました。ちょうどいちばん小さい牛若が生まれたばかりのとき、源氏の
旗色が悪くなりました。義朝は負けて、方々逃げかくれているうちに、家来の長田忠致と....
「最小人間の怪」より 著者:海野十三
吹きかけて来た。その議論は一種奇妙なものであったが、私はだんだん言い負かされて、
旗色が悪くなった。そしてヤナツが主張するように類人猿から猿人、猿人から人類、その....
「審判」より 著者:カフカフランツ
ぱらぱらと開き、ページがくしゃくしゃになって床の上を少しすべった。 「君の訴訟は
旗色がわるいが、知っているかね?」と、僧はきいた。 「私にもそう思われます」と、....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
におけるイギリス城砦の一つである、黒河河畔の街がチロオヌの軍に包囲され、駐屯軍の
旗色悪しという報告が来た。アイルランド総督の新任は、まだ行なわれない。このもっと....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
致がむずかしい。平素の交際にはなんらの隔てもないが、日曜のソルビスのときに判然と
旗色が分かれ、新教徒はことごとく出席するも、旧教徒は一人もこれに加わらぬ。 さ....