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既決
「既決〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
既決の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
知りなさるまいが、秀子は前科者ですぜ」余「エエ、前科者とは何の事です」森「イヤ、
既決囚として監獄の中で苦役した事のある女ですぜ」此の恐ろしい言葉には、余一言も発....
「刻々」より 著者:宮本百合子
されていて、同志丹野せつその他の前衛婦人を知っているのであった。 市ケ谷の刑事
既決女囚は、昔、風呂に入って体を洗うのに、ソーダのとかし水を使わされていた。それ....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
要求してハンガー・ストライキを始めた。そして、それを知った同じ牢やの政治監にいる
既決囚の無政府主義者四、五名も、それに同情のやはりハンガー・ストライキを始めた。....
「獄中記」より 著者:大杉栄
その間に僕は、出たりはいったりして二、三度しばらくここに滞在し、その他にも巣鴨の
既決監から余罪で幾度か裁判所へ引き出されるたびに一晩は必ずここに泊らされた。そし....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
か。 また、未決監から裁判所へ喚び出される。その他にも僕はよく、余罪があって、
既決監からも裁判所へ呼び出された。大がいは馬車でだが、巣鴨からは歩いたり車に乗せ....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
来た。課長は彼女がその湯呑を、いつもと同じに、硯箱《すずりばこ》と未決《みけつ》
既決《きけつ》の書類|函《ばこ》との中間に置き終るまで、じっと見つめていた。 ....
「ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
にいましたが、一審が終わると同時に保釈で出ました。が、Yは一審の判決がすむとすぐ
既決に下って中野の監獄に送られました。 彼はそこで六ヶ月の刑期を送りました。既....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
の新聞によると、七月末までの「転向」者は五百五十名、未決囚で三〇・三パーセント、
既決囚で三五・七五パーセントに当るそうである。それはどうでもいいとして、転向の動....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
最後の手紙となった。大審院の判決で顕治の無期懲役に対する控訴が却下されて未決から
既決の受刑者としての生活に入った。面会は一ヵ月一回となり、顕治からの発信も一ヵ月....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
や子供の菩提《ぼだい》を弔《とむら》い給えなど力を添えつ。一週間ばかりにして彼は
既決に編入せられぬ。されどひたすらに妾との別れを悲しみ、娑婆《しゃば》に出でて再....