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「日がな一日〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

日がな一日の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
岩石の間」より 著者:島崎藤村
が南の障子へ来ると、雪は光を含んでギラギラ輝く。軒から垂れる雫《しずく》の音は、日がな一日単調な、侘《わび》しい響を伝えて来た。 冬籠《ふゆごも》りする高瀬は....
新生」より 著者:島崎藤村
|空虚《うつろ》のように成ってしまった。彼はほとほと生活の興味をすら失いかけた。日がな一日|侘《わび》しい単調な物音が自分の部屋の障子に響いて来たり、果しもない....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
が照し始めると雪は光を含んでギラギラ輝く。見るもまぶしい。軒から垂れる雫の音は、日がな一日単調な、退屈な、侘しく静かな思をさせる。 更に小諸町裏の田圃側へ出て....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
物頭の考案により、策戦のことは諏訪藩銃隊頭を命ぜられた用人塩原彦七の方略に出た。日がな一日降りしきる強雨の中で、蓑笠を着た数百人の人夫が山から大木を伐り出す音だ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
さまのためを思うからでしょうに。」 「しかし、勝重さん、こうしてわたしのように、日がな一日山にむかって黙っていますとね、半生の間のことがだんだん姿を見せて来まし....
」より 著者:島崎藤村
、あの新しい家を見に行きたいと思う心が動いた。 長いこと私は友だちも訪ねない。日がな一日|寂寞に閉ざされる思いをして部屋の黄色い壁も慰みの一つにながめ暮らすよ....
創生記」より 著者:太宰治
かある故、そんな秘めたるいいことあるくらいなら、おれは、何を好んでこの狭小の家に日がな一日、ごろごろしていようぞ、そんなことじゃないのだ。おれはいま、眼のさきま....
勉強記」より 著者:坂口安吾
もって私のところへここはどうだ、これは何だ、とおききにいらっしゃいます。この方は日がな一日梵語の勉強をなすっていらっしゃる、ところが梵語は辞書をひけるまでがまず....
孔乙己」より 著者:井上紅梅
見え、改めてお燗番のような詰らぬ仕事を受持たされることになった。わたしはそれから日がな一日|櫃台の内側でこの仕事だけを勤めていたので、縮尻を仕出かすことのないだ....
ダス・ゲマイネ」より 著者:太宰治
てしまうのだ。君、ラディゲは自殺したんだってね。コクトオは気がちがいそうになって日がな一日オピアムばかりやってるそうだし、ヴァレリイは十年間、唖者になった。この....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
たま話す話といえば、お八重様とやらいうお腰元衆の噂、そうでなければ淀屋の独楽を、日がな一日お廻しなされて、文字が出るの出ないのと……お側に居る妾などへは眼もくれ....
決闘」より 著者:神西清
で言われたじゃないですか。それに君の友人たちが君のことを大いに気を揉んでいてね、日がな一日君の噂で持ちきりという始末なんでね。」 「どういう友人です? サモイレ....
雪の夜」より 著者:織田作之助
といっても、もともと遊び好きだった訳でもなかったのだ。 親の代からの印刷業で、日がな一日油とインキに染って、こつこつ活字を拾うことだけを仕事にして、ミルクホー....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
なれて、六時にはお茶をたらふく飲んで、すぐさま仕事へ出かけてしまう。のこる彼女は日がな一日ぽつねんとして、部屋から部屋へうろつき※って一人ですごす。どこを見ても....
夢がたり」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
ります。この私をご覧なさい、私ほどよく働く者がほかにありますか? そもそもだれが日がな一日、息をつく暇もなしに、あのように重い団子を――すなわち、やがて生まるべ....