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日の中
「日の中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
日の中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
乗って、索漠《さくばく》たる下宿の二階へ帰って行くのに忍びなかった。そこで彼は夕
日の中を、本郷とは全く反対な方向へ、好い加減にぶらぶら歩き出した。賑かな往来は日....
「竜」より 著者:芥川竜之介
》あの大鼻をうごめかしては、にやにや笑って居りましたが、やがてその三月三日も四五
日の中に迫って参りますと、驚いた事には摂津《せっつ》の国|桜井《さくらい》にいる....
「葬儀記」より 著者:芥川竜之介
た。
外へ出ると、ふてくされた日が一面に霜《しも》どけの土を照らしている。その
日の中を向こうへ突《つっ》きって、休所へはいったら、誰かが蕎麦饅頭《そばまんじゅ....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
めている。顔には、何の感情も浮んでいない。
所が、ある夜、十五日の総出仕が二三
日の中に迫った時の事である。修理は突然宇左衛門をよびよせて、人払いの上、陰気な顔....
「運」より 著者:芥川竜之介
をぬいて、簾《すだれ》の外の夕日を眺めながら、それを器用に、ぱちつかせた。その夕
日の中を、今しがた白丁《はくちょう》が五六人、騒々しく笑い興じながら、通りすぎた....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
だけに、さては通り魔でもしたのかと思ったそうですが、慌てて後を振返ると、今まで夕
日の中に立っていた新蔵の姿が見えません。と、二度びっくりする暇もなく、泰さんの袂....
「或る女」より 著者:有島武郎
解放された adventuress とも思われる放胆を示した。その極端な変化が一
日の中に起こって来ても、人々はさして怪しく思わなかった。それほど葉子の性格には複....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
たこ》のような大きな頭だけが彼れの赤坊らしい唯《ただ》一つのものだった。たった半
日の中《うち》にこうも変るかと疑われるまでにその小さな物は衰え細っていた。仁右衛....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
が、もう一度押しつぶされて最低音になる。気が付いて見ると又日影が移って、彼は半身
日の中に坐って居るので、私は黙ったまま座を譲ったが、彼は動こうとはしなかった。船....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
じ事でもありそうでならなかった。――予感というものはあるものでしょうか。 その
日の中に、果しておなじような事が起ったんです。――それは受取った荷物……荷は籠で....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
体、もし、この梟ヶ嶽の頭を肩へ下り口に立ってござる。――私どもは、どうかすると一
日の中にゃ人間の数より多くお目に掛る、至極|可懐しいお方だが……後で分りました。....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
しょうか。」 と伸上るので、お嬢さんも連れられて目を遣った。 この場末の、冬
日の中へ、きらびやかとも言ッつべく顕われたから、怪しいまで人の目を驚かした。が、....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
ている夕日の光を指さしながら、 「ではおれが好いことを一つ教えてやろう。今この夕
日の中に立って、お前の影が地に映ったら、その頭に当る所を夜中に掘って見るが好い。....
「多神教」より 著者:泉鏡花
れば、その森から出て参って、小児たちに何か菓子ようのものを与えたが、何か、いつも
日の中から森の奥に潜みおって、夜ふけを待って呪詛うたかな。 お沢 はい……あの…....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
すると、先ず和(オランダ)、白(ベルギー)、仏三国の主要飛行場を空襲して大体一両
日の中に制空権を得て、主として飛行機と機械化兵団の巧妙な協同作戦に依って神速果敢....