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日乗
「日乗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
日乗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「船」より 著者:島崎藤村
処へも寄らなかった。唯、汽船が荷積の為に港々へ寄って行くのを待つばかりで。 一
日乗ると船にも飽きた。飲食《のみくい》するより外に快楽《たのしみ》の無いような船....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
した。同じ道楽でも、武士としては誠に結構な道楽で、広い屋敷内に馬場をこしらえて毎
日乗りまわし、時には方々へ遠乗りに出る。厩には三匹の馬を飼って、二人の馬丁を置い....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
て岳川へと下った。つづいて乗鞍に登頂(四月一日には立山から別山まで尾根を歩き、翌
日乗鞍の小屋から軍隊劔岳へ登頂した)かくて本年に入ったのだが残念にも一月にはあの....
「李陵」より 著者:中島敦
こともある。一しきり休むとまた馬に跨《また》がり、がむしゃらに駈《か》け出す。終
日乗り疲れ黄雲《こううん》が落暉《らっき》に※《くん》ずるころになってようやく彼....
「Liber Studiorum」より 著者:寺田寅彦
わかりそうもない。 こんな哀れな存在もあるのである。 二 ある
日乗り合わせた丸の内の電車で、向かい側に腰をかけた中年の男女二人連れがあった。男....
「新しきシベリアを横切る」より 著者:宮本百合子
から乗りつづけて来たものは長い旅行が明日は終ろうとする前夜の軽い亢奮で。新しく今
日乗り込んで来た連中は、列車ではじめての夕飯をたべながら。――(汽車の食堂は普通....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
っとも適当である。そしてわれわれは退屈から救われるのである。 その点、汽車に終
日乗ってみると安全ではあるが、いくら欠伸をしてもし尽せない位の欠伸を催す。 私....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
奥の一棟を借りきって、しかも、なおさら宿の者をてんてこまいさせたというものは、明
日乗込んで来るといったその客が、その晩おそくなって、ここに御入来ということになっ....
「香油」より 著者:水野葉舟
一 その日は十二三里の道を、一
日乗り合い馬車に揺られながらとおした。やっとの思いで、その遠野町《とおのまち》に....
「芽生」より 著者:宮本百合子
っちゃになってしまったので東京にすんで居る人でも、随分ごっちまぜになって居る。毎
日乗る電車の内にも見てほんとうの江戸っ子を見ることは一寸ない。往復の電車に一人も....
「わが血を追ふ人々」より 著者:坂口安吾
・トマス・デ・サン・アウグスチノ神父といふ。日本潜入を願ひでゝ、一六三〇年二月二
日乗船、マリベレス島で難船したが助かり、日本逆潜入に成功した。 当時アウグスチ....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
度も落馬したこと、アイヌ小屋で蚤袋という大きな袋に這入って寝て睡りかねたこと、前
日乗った馬が綱を切って逃げたために、土人と共に遠路をとぼとぼ歩いたことなどを話し....
「歩くこと」より 著者:三好十郎
旅行したときのことを思いだします。旅行といってもホンの小旅行で、中央線の列車に半
日乗っている程度のものです。じつは私は敗戦と同時に、何をどう考え、何をどうしたら....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
の味というものはほとんどない位のものですから実に淋しいです。ツァナンに一宿し翌五
日乗馬してギャンチェという駅に着きました。この駅は
ここにパンコル・チョェテン....
「それから」より 著者:夏目漱石
車の速力を以て回転し出した。回転するに従って火の様に焙《ほて》って来た。これで半
日乗り続けたら焼き尽す事が出来るだろうと思った。 忽《たちま》ち赤い郵便筒《ゆ....