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日傭
「日傭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
日傭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
学校を卒業はしたが、目的のある柚木は、体を縛られる勤人になるのは避けて、ほとんど
日傭取《ひようと》り同様の臨時雇いになり、市中の電気器具店廻りをしていたが、ふと....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
「汝の方じゃ、面を踏まれた分にして、怒りやがるんだ、と断念めてよ。難有く思え、
日傭取のお職人様が月給取に謝罪ったんだ。 いつ出来た規則だか知らねえが、股ッた....
「四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
処から喚けば、彼処からでもよもや聴付けぬ事はあるまい。憖いに早まって虎狼のような
日傭兵の手に掛ろうより、其方が好い。もう好加減に通りそうなもの、何を愚頭々々して....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
いが、兵乱の後は洛陽の東南にある左家荘に住んで、人に傭われて働いていた。いわゆる
日傭取りのたぐいで、甚だ貧しい者であった。 金の大定二十三年の秋八月、ひとりの....
「錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
た町内の娘さんじゃありませんか。 りく いいえ、私は車屋ですもの。 その 親仁は
日傭取の、駄菓子屋ですもの。 撫子 駄菓子屋さん立派、車屋さん結構よ。何の卑下す....
「転機」より 著者:伊藤野枝
そればかりか、とてもそのくらいのことではどうする事もできないので、貯水池の工事の
日傭いになって働いて、ようやく暮している人さえあるのであった。その上にマッチ一つ....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
鬼気が籠るのであったから。 鋏は落ちていた。これは、寺男の爺やまじりに、三人の
日傭取が、ものに驚き、泡を食って、遁出すのに、投出したものであった。 その次第....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
こと、いずれも夜が明けると富山の町へ稼ぎに出る、下駄の歯入、氷売、団扇売、土方、
日傭取などが、一廓を作した貧乏町。思い思い、町々八方へ散ばってるのが、日暮になれ....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
うけれど、折れて落ちるような憂慮はないのであった。 ちょうど市の場末に住んでる
日傭取、土方、人足、それから、三味線を弾いたり、太鼓を鳴して飴を売ったりする者、....
「窃む女」より 著者:黒島伝治
かしか残らなかった。予め心積りをしていた払いの外に紺屋や、樋直し、按摩賃、市公の
日傭賃などが、だいぶいった。病気のせいで彼はよく肩が凝った。で、しょっちゅう按摩....
「老夫婦」より 著者:黒島伝治
なんぼ貧乏しても村に居る方がえい。」とじいさんはため息をついた。 「今から去んで
日傭でも、小作でもするかい。どんなに汚いところじゃって、のんびり手足を伸せる方が....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
阿Qは家が無い。未荘の土穀祠の中に住んでいて一定の職業もないが、人に頼まれると
日傭取になって、麦をひけと言われれば麦をひき、米を搗けと言われれば米を搗き、船を....
「馬」より 著者:佐左木俊郎
を小作しているのであったが、それだけではどうにも暮らしがつかないので、伝平はよく
日傭に出された。そして伝平は、雀が餌を運ぶようにして、三十銭五十銭と持って帰るの....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
のことだが、むろんそれだけで足りようはずはなく、養蚕時はその手伝いに、農繁期には
日傭取りに……というふうにしてささやかな生計を立てていたのである。妹だという三十....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
、悠々然と鑿を※ぐ衣服の垢穢き爺もあり、道具捜しにまごつく小童、しきりに木を挽く
日傭取り、人さまざまの骨折り気遣い、汗かき息張るその中に、総棟梁ののっそり十兵衛....