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日向ぼっこ
「日向ぼっこ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
日向ぼっこの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「勝負事」より 著者:菊池寛
返しているはずの祖父の姿が見えないのです。多分田の向うの藁堆《わらにお》の陰で、
日向ぼっこをしているのだろうと思って、その方へ行ってみますと、果して祖父の声がき....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
て見ると、庭一面に籾《もみ》を干してあって、母は前の縁側に蒲団《ふとん》を敷いて
日向ぼっこをしていた。近頃はよほど体の工合もよい。今日は兄夫婦と男とお増とは山へ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いながら声をかけた。「いい若けえ者が酒屋の御用じゃああるめえし、犬っころを相手に
日向ぼっこは面白くねえぜ」 半七の顔をみて、徳次という船頭は笑いながら挨拶した....
「俊寛」より 著者:菊池寛
の初めででもあるように暖かだった。 三人の流人たちは、海を見下ろす砂丘の上で、
日向ぼっこをしていた。ぽかぽかとした太陽の光に浴していると、ところどころ破れほこ....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
。 つい脱線して飛んだ気焔になってしまったが、ちょっと籐椅子の上で寝ころんで、
日向ぼっこをしながら一ぷくして、また初めの呑気至極な思い出すままだらりだらりと書....
「大脳手術」より 著者:海野十三
手紙の到着するのを待った。時間は遅々として、なかなか捗らなかった。私は縁側に出て
日向ぼっこをしながら、郵便配達員の近づく足音を一秒でも早く聞き当てようと骨を折っ....
「空気男」より 著者:海野十三
子の粉を払いながら、さてこれからどうしたものだろうと考えた。 「ウン、屋根の上で
日向ぼっこでもしながら、これから先のことを考えよう」 彼は屋根へのぼって、暖い....
「たにしの出世」より 著者:楠山正雄
て、おとうさんがあおむいて見ると、軒さきの高いたなの上にのせられて、たにしの子が
日向ぼっこしていました。 たにしの子が口をきくはずがない、なにかの空耳だろうと....
「ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
はいって、湯から上がると二階の縁側の籐椅子の上に寝ころんで、とろけそうな顔をして
日向ぼっこをしている姿などを思い出しながらいいました。 「無邪気な、いい男なんだ....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
た竜胆が、日中も冷い白い霜を噛んでいます。 が、陽の赤い、その時梟ヶ嶽は、猫が
日向ぼっこをしたような形で、例の、草鞋も脚絆も擽ってえ。……満山のもみじの中に、....
「フランダースの犬」より 著者:菊池寛
缶を、じっと気をつけてながめていました。鳶いろの頸に野菊の花環を巻かれたままで、
日向ぼっこをしながら。そして、そのあくる朝になると、パトラッシュは、おじいさんが....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
南向きに窓がついているので、日さえ照れば正午前二、三時間余りの間は、背を円くして
日向ぼっこの快をとることができる。このために向う側の監房に較べて四、五度温度が高....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
そうだった。ほら、あの、いま頬っぺたを掻いて、むくむく濡れた毛からいきりをたてて
日向ぼっこをしている、憎らしいッたらない。 いまじゃあもう半年も経ったろう。暑....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
お三どんを相手に、油を売っていた仙介であった。 「おやおやこれはお嬢さんで、……
日向ぼっこでございますかな」 こんなことを云いながら近寄って来たが、抛り出され....
「岷山の隠士」より 著者:国枝史郎
れになった。 今でも岷山のどの辺りかに、李白とそうして東巖子とが、小鳥を相手に
日向ぼっこをして、住んでいる事は確かである。....