日増し[語句情報] »
日増し
「日増し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
日増しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
わせると、それが深い意味をもっているように疑われないでもなかった。お絹の疑いは一
日増しに根強くなって、もうこの頃ではどうしてもそうなければならないと思われるよう....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
この夏の引き籠り以来、自分の味方のだんだんに遠ざかって行くのは、見舞いの人の数が
日増しに減るのを見てもよく判っていた。背《そむ》いた味方はみな頼長の傘の下にあつ....
「第五氷河期」より 著者:海野十三
舞い上ったものが、なかなか下へ落ちてこないようです。つまり、空中には火山灰の量が
日増しにふえてくるように思います。確実な計算はできませんが、この調子でいくと、や....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
がよかった。半七は去年も一度行ったことがあるので、まず大抵の見当はついていたが、
日増しに開けてゆく新らしい港の町が一年のあいだにどう変ったかと、これも少なからぬ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
新聞もよみ終って、ふらりと宿を出た。 月末に近づいたせいか、この頃は帰る人が一
日増しに多くなった。大仁行きの馬車は家々の客を運んでゆく。赤とんぼが乱れ飛んで、....
「密林荘事件」より 著者:海野十三
暑には持って来いの場所ですね」 「ええ、ですから彼を誘ったわけです。たしかに彼は
日増しに元気づきました。丁度三日目の朝のこと、僕たちは山荘を一緒に出て、羊腸の小....
「火星兵団」より 著者:海野十三
まった。先生は、そのことを言って望遠鏡から目をはなすと、博士は、
「これから、一
日増しに、大きく見えて来るじゃろう。そうして、やがて地球に衝突する一週間ぐらい前....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
んだん暗くなっていった。それと反対に、お千の気持はだんだん落ちつきを取りかえし、
日増しに元気になって、古女房のように杜の身のまわりを世話した。 それは丁度九月....
「成長が生んだ私の恋愛破綻」より 著者:伊藤野枝
わねばならぬ重荷とあきらめていました。しかしその他のいっさいのものはみんな私には
日増しに重くなりました。 私は時々自分の年を考えてみます。二人目の子供を生んだ....
「孔乙己」より 著者:井上紅梅
訊こうともせず、のらりくらりと彼の帳合を続けていた。 中秋節が過ぎてから、風は
日増しに涼しくなり、みるみるうちに初冬も近づいた。わたしは棉入を著て丸一日火の側....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
だ幾たびか私はシムラの親切な名医と近づきになった自分の幸運に感謝したのであった。
日増しに私のこころは軽く、落ちついてきた。そうしてまた、だんだんにヘザーレッグの....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
そうはいっても、母の身としてはまだ幾らかの不安が忍んでいた。白柄組の喧嘩沙汰は
日増しに激しくなって来るらしく、ゆく先々でその噂を聞かされる度に、お菊の母は胸を....
「秋の修善寺」より 著者:岡本綺堂
新聞もよみ終って、ふらりと宿を出た。 月末に近づいたせいか、この頃は帰る人が一
日増しに多くなった。大仁行の馬車は家々の客を運んでゆく。赤とんぼうが乱れ飛んで、....
「勝ずば」より 著者:岡本かの子
いだけいけないですね」 政枝の手首の傷が殆ど癒着して、しかし胸の病の熱の方は、
日増しに度を増して来た時分、戦争が始まった。日に二三度も号外がけたたましい鈴の音....
「黒い旗物語」より 著者:小川未明
後になって、乞食の持っていた胡弓であることがわかりました。 その後というものは
日増しに海が荒れて、沖の方が暗うございました。毎年冬になると、この港から出る船の....